9月6日、皇位継承順位2位の悠仁さま（18）の成年式が執り行われます。「加冠の儀」は皇室の重要な伝統儀式であり、悠仁さまの成年を公に示す節目です。公的午餐が民間ホテルで実施されることなど、現代における皇室のあり方や「旧宮家養子案」を巡る議論も浮上。本稿では、この成年式の詳細と背景を深掘りします。
悠仁さまの成年と公的午餐の背景
悠仁さまの成年式は、秋篠宮家初の親王としての成年式であり、その動向が注目されています。主要行事の一つである三権の長らを招く公的な午餐は、皇居宮殿ではなく都内の民間ホテルで実施される方針です。この決定には、現状では表立った大きな批判は見られないものの、その背景や「きちんと議論された末の結論なのか」という問いが提起されています。これは、現代社会における皇室の役割や、より開かれた皇室像を模索する動きの一環とも捉えることができるでしょう。
厳かに執り行われる「加冠の儀」の詳細
成年式の中心をなすのは、天皇陛下から冠を授かる「加冠の儀」です。9月6日午前、悠仁さまは未成年用の装束とかぶりもの（空頂黒幘（くうちょうこくさく））を身に着け、宮殿・春秋の間に入られます。加冠役の側近が空頂黒幘を取り、代わりに成年の証である冠を頭上に乗せると、別の側近が冠の掛緒（かけお）を和ばさみで切り落とします。この一連の動作を経て、「成年悠仁さま」が誕生するのです。儀式中、「パチン」という澄んだ音が静寂な春秋の間に響き渡ると言われています。
秋篠宮ご夫妻と長男悠仁さま、公務に臨む
45年前、浩宮時代の天皇陛下がこの儀式に臨まれた際、『毎日新聞』（1980年2月23日夕刊）は儀式の様子を詳細に描写しました。「身じろぎもせず、威儀を正し、まっすぐ前を見つめておられた」浩宮さまの姿や、浅黄色の袍の丈余の裾が歩調に合わせて「グングン」と伸び、最終的に約6メートルにもなる荘厳な光景は、成年式のクライマックスとして人々の記憶に刻まれました。両陛下への深々とした一礼後、「本日の成年式に当たり冠を賜り、（略）心から御礼申し上げます」と述べられた言葉には、皇室の伝統と将来への深い責任感が込められていました。
皇室儀式の「スペクタクル化」とメディアの役割
古今東西、君主一家の通過儀礼は、しばしば「スペクタクル」（見せ物）として、また国民への情報公開という側面から注目されてきました。浩宮さまの「加冠の儀」は、社会面トップで報じられ、NHKが全国に生中継するなど、当時の社会がいかにこの成人に注目したかを如実に示しています。これは単なる伝統行事の伝達に留まらず、国民が皇室に抱く関心や、メディアが果たす情報提供および世論形成の役割の大きさを浮き彫りにします。現代においても、悠仁さまの成年式は国民の注目を集め、皇室の将来を考える上で重要な機会となるでしょう。
悠仁さまの成年式は、単なる皇位継承者の成長を祝うだけでなく、皇室の伝統の維持と現代社会との調和、そして今後の皇室のあり方について深く考察する機会を提供します。「加冠の儀」は、その荘厳な形式を通じて皇室の歴史的重みと象徴的役割を再確認させるものです。国民の関心が高まる中、この儀式が日本の未来における皇室の姿を映し出す鏡となることでしょう。
