石破首相「続投」意向も「おろし」加速?世論と党内情勢の乖離を田崎氏が解説

政治評論家の田崎史郎氏が26日、TBS「ひるおび」に出演し、現在の政局を分析しました。石破茂首相は続投の姿勢を崩していませんが、自民党内では総裁選の前倒し実施、いわゆる「石破おろし」の動きが加速しています。一方で、各報道機関の世論調査では軒並み「辞めるべきでない」との意見が多数を占めるという、世論と党内情勢の間に大きな乖離が見られる点が注目されています。

政治評論家・田崎史郎氏がTBS「ひるおび」で石破政権の動向を解説政治評論家・田崎史郎氏がTBS「ひるおび」で石破政権の動向を解説

石破首相の連携強化と山崎氏の発言の真意

24日には、石破首相が自身の呼びかけで小泉純一郎元首相、山崎拓元自民党副総裁、武部勤元幹事長、そして赤沢亮正経済再生担当相らと会食したことが報じられました。この会食の席で、山崎氏は総裁選の前倒し実施について「必要ない」と明言したと伝えられています。さらに番組では、山崎氏が21日段階のBS-TBSの番組で、石破首相に関して「たぶんあと2年やって誰にバトンタッチするかを考えると思います」と発言していたことも紹介されました。これらの動きは、石破首相が後ろ盾を得て続投の流れが強まったかのような印象を与えます。

しかし、政治評論家である田崎史郎氏は、山崎氏の発言について「山拓さんの言うことは意図を持って言ってるから簡単には信じちゃいけない」という、山崎氏の取材における定説があると言及しました。田崎氏は、「山崎さんの意図のもとにストーリーが作られているので、若干冷静に見たほうがいい」と述べ、その発言の背後にある意図を見極める必要性を強調しました。

世論と乖離する「石破おろし」の現状

田崎氏による自民党への取材結果は、世論調査の結果と大きく乖離している現状を浮き彫りにしています。国民の多数が「辞めるべきでない」と考えているにもかかわらず、党内では「全然変らずに、昨夜現在もやっぱり石破おろしを続ける、だったですね。これからもやっていくと。関係ないと」という強硬な姿勢が続いていると報告しました。このことから、党内の権力闘争が世論の動向とは別軸で進行していることが伺えます。

前倒し総裁選への動きと党内情勢

田崎氏は、現状について「前倒しが実現する方向で進んでいると思います」との見解を示し、「きのうの夜になって石破さんをおろす勢力が結構勢いづいています」と述べました。新聞やテレビの世論調査で示された、自民党の都道府県連や自民党議員の前倒し総裁選への賛同状況を分析した結果、「これなら過半数行ける」という感触が「石破おろし」勢力の中で広がっていると指摘。党内の反石破勢力が勢いを増し、具体的な動きを加速させている状況が明らかになりました。

結論

石破茂首相の続投意向と世論の支持にもかかわらず、自民党内での「石破おろし」の動きは勢いを増しており、総裁選の前倒し実施の可能性が現実味を帯びてきています。政治評論家である田崎史郎氏の分析からは、党内権力闘争の複雑さと、表面的な情報に惑わされない冷静な視点の重要性が浮き彫りになります。今後の日本政治の動向が注目されます。


参考文献