カリフォルニア乳児誘拐事件の衝撃:両親を殺人容疑で逮捕、虚偽通報の実態

生後7カ月の乳児エマニュエルくんが誘拐されたと警察に通報していた両親が、その誘拐が虚偽であったと判明し、殺人と警察への虚偽通報の容疑で逮捕されるという衝撃的な展開を迎えた。この事件は、カリフォルニア州の小さなコミュニティに大きな動揺を与えている。

当初、母親のレベッカ・ハロ被告(41)は、カリフォルニア州ユカイパのスポーツ用品店外で、生後7カ月のエマニュエルくんのおむつを替えていたところ、見知らぬ男に突然襲われ意識を失い、目覚めると息子がいなくなっていたと14日に警察に証言した。この通報を受け、警察は「あらゆる手段」を尽くしてエマニュエルくんの広範な捜索活動を開始。事件に関するメディア報道が広まるにつれ、市民の不安が高まり、数日のうちにレベッカ被告と夫のジェイク・ハロ被告(32)の元には、息子を捜すための協力者が多数集結した。レベッカ被告はCNN提携局に対し、エマニュエルくんの写真入りビラを見せながら涙ながらに「どうか彼を傷つけないで」「彼を愛する両親の元へ連れ戻して」と訴え、世間の同情を集めていた。

しかし、警察の捜査は迅速に進展し、通報から24時間も経たないうちに夫婦の証言には複数の矛盾が生じ始めたという。その約1週間後の22日、レベッカ被告とジェイク被告はカバゾンの自宅で、エマニュエルくんに対する殺人と警察への虚偽通報の容疑で逮捕された。

起訴状によると、乳児のエマニュエルくんは今月5日から14日の間に殺害されたとされている。両被告の罪状認否は、9月4日にリバーサイド郡の裁判所で予定されている。27日に開かれた記者会見で、リバーサイド郡の検察は「最初に記者会見を開いたのはこの事件の被告で、国民、メディア、さらには法執行機関に対し、自分たちの子どもが誘拐されたと伝えた。しかし、実際にはそのようなことは起きていない」と述べ、事件の真実を訂正した。

誘拐を装い逮捕された乳児エマニュエルくんの両親、レベッカ・ハロ被告とジェイク・ハロ被告の姿誘拐を装い逮捕された乳児エマニュエルくんの両親、レベッカ・ハロ被告とジェイク・ハロ被告の姿

現時点ではエマニュエルくんの遺体はまだ発見されていないものの、捜査官らは「かなり明確な手がかり」を握っていると発表している。検察はさらに、「この事件の起訴は、エマニュエルくんが長期にわたり虐待を受けた児童虐待の被害者であり、その虐待による負傷が死因に至ったという我々の確信を反映している」と述べ、事件の悲劇的な背景を明らかにした。当局の発表によると、両被告は現在、リバーサイド郡内の異なる刑務所に収監されており、他にこの事件に関与した容疑者はいないとされている。この事件は、社会に大きな問いを投げかけるとともに、児童虐待の深刻さを改めて浮き彫りにしている。

参考文献