長渕剛・志穂美悦子夫妻に「別居」報道:38年間の激動と、それぞれの新章

歌手の長渕剛さん(68歳)と女優の志穂美悦子さん(69歳)夫妻に、結婚38年目を迎える今年、別居状態にあると「文春オンライン」が報じました。芸能界を代表する大物夫婦に一体何が起こっているのでしょうか。長年の結婚生活の舞台裏で志穂美悦子さんが経験してきた苦労、そして新たな道を歩み始めた彼女の挑戦に焦点を当てます。

別居報道の経緯と事務所の見解

昨年8月26日の「文春オンライン」の報道によれば、志穂美悦子さんは2023年4月に長渕剛さんの個人事務所「オフィスレン」を含む関連3社の取締役を辞任していたことが判明しました。さらに、同年末には長渕さんが自宅を出て別居状態にあるとされています。この件について「週刊文春」の直撃取材を受けた志穂美さんは「行ったり来たり」とコメントしました。

翌27日には「女性セブンプラス」が同様の内容を報じるとともに、長渕さんの身の回りの世話をする20代半ばの女性社員の存在も伝えられました。長渕さんはその女性社員に絶大な信頼を寄せているとのことですが、長渕さんの事務所は「女性セブン」の取材に対し、不倫関係を否定し、志穂美さんとの離婚についても「ありません」と明確に回答しています。また、志穂美さん自身も現時点では離婚の意思はないとされています。

ネット上の反応:志穂美悦子への同情と新たなキャリア

今回の別居報道に対し、インターネット上では志穂美悦子さんへ同情する声が多数寄せられています。「志穂美悦子さん。無理しないで、ゆっくりと頑張ってください」「よく我慢してきた」「もう自由になってもいいのでは」といったコメントは、彼女が長年、長渕剛さんの妻として、そして母として、多くの困難を乗り越えてきたことへの共感を物語っています。

長渕さんとの結婚を機に芸能界の第一線から退いた志穂美さんは、3人のお子さんを育て上げ、夫の事務所の取締役として長年裏方に徹してきました。しかし、子育てが一段落してからは、東日本大震災をきっかけにフラワーアクティビストとして支援活動に取り組み始め、メディアへの露出も増加。そして昨年6月には、シャンソン歌手「鬼無里まり(きなさ まり)」としてデビューを果たし、精力的なコンサート活動を展開しています。これは、長年の沈黙を破り、新たな自己表現の場を見つけた志穂美さんの強い意志の表れと言えるでしょう。

歌手「鬼無里まり」として活動する志穂美悦子(別居報道の中で新たなキャリアを築く)歌手「鬼無里まり」として活動する志穂美悦子(別居報道の中で新たなキャリアを築く)

アクション女優から妻へ:長渕剛との出会いと結婚

志穂美悦子さんは、デビュー当時、千葉真一さん(享年82歳)率いるジャパンアクションクラブ初の女優として、体を張ったアクションを披露し、一躍スターダムに駆け上がりました。1980年代に入ってからはアクション以外の作品にも挑戦し、その高い演技力が評価されていました。

そんな絶頂期にあった1986年、TBS系ドラマ『親子ゲーム』で恋人役を演じたことがきっかけで、長渕剛さんとの交際がスタートします。そして、二人が共演した映画『男はつらいよ 幸福の青い鳥』が公開された翌年、人気絶頂の渦中で結婚。志穂美さんは女優としての輝かしいキャリアを捨て、家庭に入る道を選んだのです。

「一つの家庭に二つの光はいらない」:激動の38年間

志穂美さんが芸能界を引退し家庭に入ったのは、長渕さんの強い意向によるものでした。もともと芸能界を引退するつもりはなかったという志穂美さんに対し、長渕さんは結婚する際に「一つの家庭に二つの光はいらない」と告げたそうです。仕事に未練があったものの、出産を機に吹っ切ることができたと伝えられています。

しかし、長渕さんの家庭での顔は複雑でした。結婚当初は3人のお子さんの出産全てに立ち会うなど子煩悩な一面を見せていたものの、その一方で亭主関白なところもあり、家では志穂美さんの料理に細かく口出しすることもあったといいます。志穂美さんもその場で言い返すタイプだったため、夫婦喧嘩が激しくなることも度々あったそうです。

志穂美さんは近年のインタビューでも、長渕さんとの結婚生活を振り返り、「心がズタズタにされたことは、一度や二度じゃない(笑)」と語っています。結婚生活は我慢の連続であったようですが、夫に振り回されることはある程度想定内だったとも。入籍前の記者会見で「クセのある男なので」と語っていたように、彼女には長渕さんと共に生きる「覚悟」があったのでしょう。また、志穂美さん自身も「普通の男性だと物足りない」と感じるタイプであり、芸術家肌の長渕さんから刺激を受けることも多かったといいます。

結婚生活には様々な困難が伴いました。1995年には長渕さんが大麻所持で逮捕される事件もありましたが、志穂美さんが彼を見放すことはありませんでした。長渕さんのコンサートにも帯同し、スタッフを労うなど、まさに「縁の下の力持ち」として夫を支え続けました。さらに、長渕さんに女優との密会がたびたび報じられた際も、志穂美さんはマスコミの取材に対し夫を擁護するコメントを出すなど、常に毅然とした態度を保ちました。

離婚を選択しない理由と「ほどよい距離感」の模索

世間からは「離婚してもおかしくない」と見られることもあった志穂美さんですが、彼女が離婚を選択しなかった理由について、インタビューで次のように語っています。「何より自分が選んで結婚した人だから、自分の判断が間違ってたとは思いたくない。ダメにしたらもっと悔しいから。一生かけて、死ぬときに夫婦でいてよかった、と思えたらそれでいいと思っています(笑)」この言葉には、自分の選択を最後まで貫き通すという、志穂美さんの強い信念が込められています。

フラワーアクティビストとして高い知名度を得た後も、志穂美さんは「自分の仕事は家を守ること」だと考えていたそうです。一方で、仕事には一切妥協を許さないことでも知られており、昨年始めた歌手活動については「長渕の力を一切借りないで、どこまでやれるか」という決意をインタビューで語っていました。そして、妻のそんな強い思いに対し、長渕さん自身も「たくさん苦労をかけたから、これからの人生は好きなことをやってほしい」との思いで彼女の背中を押しているといいます。

連れ添う時間が長くなればなるほど、夫婦のライフスタイルや価値観も変化していくものです。例えば、タレントの上沼恵美子さん(70歳)も結婚41年目で夫と別居したことで、互いの生活が充実し、以前よりも夫婦関係が良好になったと語っています。志穂美さんが長渕さんの事務所や会社の取締役を辞任した真意は明らかではありませんが、もしかしたら、長年の結婚生活を経て「ほどよい距離感」を模索した結果なのかもしれません。

結論

長渕剛さんと志穂美悦子さんの結婚38年目の別居報道は、多くの人々に様々な感情を抱かせました。志穂美悦子さんは、華やかなアクション女優から家庭を支える妻、そしてフラワーアクティビスト、シャンソン歌手「鬼無里まり」へと、激動の人生を歩んできました。数々の困難に見舞われながらも、自身の選択を信じ、新たな挑戦を続ける彼女の姿は、多くの女性に勇気を与えています。今回の「別居」が、二人の夫婦関係にとって新たな「ほどよい距離感」を築き、それぞれの人生をより豊かにする「新章」となることを期待する声も少なくありません。

参考文献

  • 文春オンライン (2023年8月26日掲載記事より)
  • 女性セブンプラス (2023年8月27日掲載記事より)
  • ゆうゆうtime (2025年1月2日配信記事より)
  • 美ST (2024年1月6日配信記事より)
  • 週刊誌記者コメント
  • 芸能関係者コメント
  • 志穂美悦子の知人コメント