日本とインド、安全保障・経済協力の深化でインド太平洋の安定に貢献へ:モディ首相来日インタビュー

インドのナレンドラ・モディ首相は、来日を機に読売新聞の書面インタビューに応じ、日印間の安全保障および経済協力のさらなる深化に意欲を示しました。特に、両国が改定を予定している「安全保障協力に関する共同宣言」については、「次世代のために、安全で安定したインド太平洋を築くという我々の意思を前進させるものだ」と述べ、戦略的パートナーシップの重要性を強調しました。

インドは、その巨大な市場と成長する経済力、そして地政学的な重要性から、日本にとって不可欠なパートナーです。今回のモディ首相の来日と一連の合意は、自由で開かれたインド太平洋構想を推進する上で、日印両国が果たすべき役割を再確認する機会となります。

日印安全保障協力の深化:インド太平洋の安定に向けて

2008年に署名された日印「安全保障協力に関する共同宣言」の改定案では、経済安全保障や防衛産業分野における連携が新たに盛り込まれています。日印両政府は、29日の首脳会談でこの改定文書を交換する予定であり、これは両国の防衛協力が新たな段階に進むことを意味します。

モディ政権は、ロシアに集中していた防衛装備品の調達先の多角化を急いでおり、日本はインドに対し、艦艇搭載用の通信アンテナの装備移転を進めるなど、具体的な協力が進行しています。モディ首相は、このような防衛協力が「両国にとって大きな成功事例」であると高く評価。「日本は防衛技術分野で実績がある。政治的信頼と補完性に基づき、両国は自国に限らず世界に向けて設計や生産ができるだろう」と述べ、第三国への防衛装備品の共同開発や売り込みも視野に入れた協力関係の構築に意欲を見せました。

インドのナレンドラ・モディ首相、来日時に読売新聞の書面インタビューに応じ、日印安全保障協力の深化を表明インドのナレンドラ・モディ首相、来日時に読売新聞の書面インタビューに応じ、日印安全保障協力の深化を表明

クアッド(Quad)の役割拡大と実践的成果

日米豪印4か国の協力枠組みである「Quad(クアッド)」についても、モディ首相は言及。そのテーマが海上の安全保障や宇宙協力といった新たな分野へ拡大していることに触れ、「実践的な解決策と具体的な成果を生み出し続けると確信する」と期待を表明しました。さらに、「クアッドの仲間として日本とのパートナーシップを重視し、緊密な連携を期待する」と述べ、地域におけるクアッドの重要性と日印協力の中心的役割を改めて強調しました。

経済連携の強化:半導体から高速鉄道まで

経済分野においても、日印間の協力は多岐にわたります。特に、インドが国産化を急ぐ半導体分野の協力は、日印パートナーシップの「主要な柱」となるとモディ首相は指摘。「インドの規模と能力に日本の先進技術を組み合わせることで、強靱(きょうじん)で信頼性の高い半導体の供給網を構築できる」と述べ、グローバルな半導体サプライチェーンにおける両国の貢献可能性を示唆しました。

また、インドで導入が予定されている日本の新幹線方式を採用した高速鉄道プロジェクトについても、建設中の商都ムンバイと工業都市アーメダバードを結ぶ路線のほかに、さらなる拡充を検討している考えを表明。「日本企業の積極的な参加を歓迎したい」と述べ、日本の技術と経験がインドのインフラ整備に大きく寄与することへの期待を示しました。

結論

今回のモディ首相の来日と読売新聞のインタビューは、日印両国が安全保障、経済、先端技術といった幅広い分野で戦略的連携を強化し、共通の価値観に基づき「自由で開かれたインド太平洋」の実現に貢献していくという強い意思を示すものです。特に、改定される安全保障協力共同宣言は、両国の防衛協力に新たな道を開き、地域全体の安定と繁栄に寄与することが期待されます。日印の緊密なパートナーシップは、国際社会における両国の影響力を一層高め、次世代のために安全で安定した世界を築く上で不可欠な要素となるでしょう。


参考文献:

  • 読売新聞. (2025年8月28日). モディ首相、日印安全保障協力「次世代のため」…読売新聞書面インタビュー.
    • 注: 記事の日付は原文に準じて未来日となっていますが、これは元の記事の記述に合わせたものです。