TikTokで拡散「韓国式BBQ異物混入動画」が引き起こす国際的な誤解と波紋

近年、ソーシャルメディアを通じて情報は瞬く間に世界を駆け巡る。しかし、その拡散力は時に誤解や風評被害を生む諸刃の剣となる。今夏、韓国式バーベキューの鉄板上をウジ虫が這う衝撃的なTikTok動画が拡散され、国際的な波紋を呼んでいる。この動画は多くの視聴者に嫌悪感を与え、「韓国の食文化」に対する不必要な誤解を招く可能性が指摘されており、その真相と影響が注目されている。

TikTok動画の衝撃:再生数2630万回超の異物混入問題

発端となったのは、今年5月にフィリピン人女性がTikTokに投稿した約7秒間の動画だ。この映像には、韓国式バーベキューを提供する飲食店で、熱い鉄板の上を複数のウジ虫が這い回る様子が鮮明に映し出されている。投稿者による「気をつけろ」という短い警告文と、「サムギョプサル」といったハッシュタグが添えられていた。動画は投稿からわずか2カ月で再生数2630万回を突破し、1万2000件以上のコメントが寄せられる異例の反響を呼んだ。コメント欄には、様々な国の言語で「サムギョプサルを食べる気が失せた」「1週間分の食欲をなくした」「返金すべきだ」など、衛生状態への強い懸念や不快感が表明された。

鉄板上のサムギョプサルとウジ虫が映るTikTok拡散動画鉄板上のサムギョプサルとウジ虫が映るTikTok拡散動画

「韓国の店」との誤解が広がる背景とネットユーザーの懸念

動画の拡散と同時に、多くのネットユーザーから「この店はどこにあるのか」という質問が相次いだ。しかし、投稿者が具体的な場所について回答しなかったため、「韓国にある店ではないか」という誤解が海外で急速に広まってしまった。

これに対し、動画の存在を知った韓国のネットユーザーからは強い反発の声が上がっている。彼らは動画に映る肉の部位や、隣に置かれたソースが一般的な韓国のサムギョプサルとは異なると指摘。実際に韓国ではあまり見かけない形式であることから、「これが韓国の店なら、全国の店が潰れるだろう」「説明なしに投稿されたせいで誤解が生まれた。正確な情報を提供してほしい」と、自国の食文化や飲食店への風評被害を懸念する声が多数寄せられた。

真相はどこに?海外メディアが指摘する「フィリピンの店」

このような誤解が広がる中で、タイをはじめとする一部の海外メディアは、今回の問題について「フィリピンの韓国式バーベキュー店で発生した」と具体的に報じている。この報道は、動画の舞台が韓国国内ではない可能性が高いことを示唆しており、韓国のネットユーザーの指摘と一致する。国際的な情報拡散においては、特に政治・社会分野において、情報の正確性がその国のイメージに直接的な影響を与えるため、発信者と受け手双方の慎重な姿勢が求められる。今回の件は、SNSがもたらす情報の瞬時性と、それに伴う誤解のリスクを改めて浮き彫りにした事例と言えるだろう。

今回の「ウジ虫動画」は、単なる食の衛生問題に留まらず、国際的な情報の受け止め方、そしてそれが国家のイメージに与える影響の大きさを示す象徴的な出来事となった。正確な情報共有と事実に基づいた理解の重要性が、改めて強調されるべきである。

参考文献

  • KOREA WAVE/AFPBB News (2025年8月29日). 「韓国式バーベキューの鉄板にウジ虫? TikTokで動画拡散、ネットで懸念」.