新型コロナ新変異株「ニンバス」の実像:医師が語る「カミソリ喉の痛み」報道との乖離

現在、日本各地でその存在が確認されている新型コロナウイルスの新変異株「ニンバス」。気象用語で「嵐雲」を意味するこの変異株は、強い感染力を持つ一方で、その症状の重篤性については一部報道と臨床現場との間で大きな隔たりがあることが指摘されています。特に、「カミソリを飲んだような喉の痛み」という表現がメディアで強調される中、医療の最前線からは異なる見解が示されています。本記事では、専門家の証言と実際の患者事例に基づき、「ニンバス」の真の姿と、感染前に知っておくべき情報を深く掘り下げていきます。

オミクロン株以来の変異株「ニンバス」の特性:強い感染力と弱毒化の傾向

「ニンバス」は、感染力の強いオミクロン株からさらに変異した株であり、その感染力は非常に高いとされています。しかし、琉球大学名誉教授である藤田次郎医師は、臨床現場での経験から、ウイルスが弱毒化している可能性を指摘しています。2022年、オミクロン株の正体がまだ不明だった頃、感染拡大の起点となった沖縄の医療現場では、病棟をまるごと空けて備えましたが、実際に感染が広がると、多くの患者は全身状態が良好で、肺炎などの重症化は見られませんでした。

オミクロン株の電子顕微鏡写真、新型コロナウイルス変異株の特性オミクロン株の電子顕微鏡写真、新型コロナウイルス変異株の特性

藤田医師は、「ニンバス」に感染したと思われる50人以上の患者を診察してきましたが、その多くは通常のかぜと同様の症状を示したと言います。喉の痛みを訴える患者もいましたが、それは全体の3分の1程度に過ぎず、メディアで強調されるような極端な症状は確認されませんでした。このことは、感染力の強さとは裏腹に、ウイルスの病原性が低下している可能性を示唆しています。

「カミソリを飲んだような喉の痛み」報道の真偽:臨床現場からの見解

メディアで繰り返し報道される「カミソリを飲んだような喉の痛み」という症状について、藤田医師は「私が見た限りでは、そのような症状を訴える患者さんは一人もいませんでした」と強く否定しています。長年の診察経験に基づき、「カミソリの刃を飲んだような喉の痛み」という報道は、実際の臨床現場とは大きく乖離していると断言。そして、「ニンバス」の症状は軽いものであり、恐ろしく危険なウイルスである可能性は100%ないと明言しました。この専門家の見解は、過度な不安を煽るような報道に対し、冷静な判断を促す重要な情報となります。

患者の生の声:30代男性が語る「ニンバス」の症状

実際の患者の体験談も、藤田医師の見解を裏付けています。2025年8月20日に感染が確認された宮城県仙台市在住の30代後半の男性は、19日の午後から軽い咳と夜からの喉の痛みを訴えましたが、「ニュースで言われているような、カミソリを飲んだような痛さではなく、かぜをひいた時のチクチクする痛みでした」と振り返っています。寝る前には38.2度まで熱が上がったものの、翌朝には37.2度まで下がり、病院での検査の結果、コロナ陽性と診断されました。医師からは「喉の痛みもあるので、今流行している型でしょう」と伝えられたそうです。この男性の事例は、「ニンバス」の症状が一般的な風邪と類似している点、そしてその痛みが報道されているほどではないことを示しており、多くの人々の不安を和らげる一助となるでしょう。

結論:正確な情報に基づき冷静な対応を

新型コロナウイルスの新変異株「ニンバス」は、高い感染力を持つものの、その症状は従来のデルタ株などに比べて弱毒化している可能性が高いことが、専門家の見解と患者の証言から明らかになりました。特に、「カミソリを飲んだような喉の痛み」という一部報道は、臨床現場の実態とは大きく異なると言えます。私たちは、専門家による正確な情報に基づき、過度に恐れることなく、冷静に対応することが求められます。体調に異変を感じた際は、速やかに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

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