子どもの習い事、送迎負担を軽減する新たな支援サービスが続々登場

ダンスやプログラミングといった多様な科目の登場により、現代の子どもたちの習い事ニーズは年々高まっています。しかし、その一方で保護者にとっては、子どもたちの送迎にかかる時間的・精神的な負担が増大するという課題も生まれています。こうした状況を受け、多様な形で「送迎の負担」をサポートする企業が増加しており、子育て世代に新たな選択肢を提供しています。

多様化する子どもの習い事に対応し、送迎負担を軽減する新しいサービス多様化する子どもの習い事に対応し、送迎負担を軽減する新しいサービス

「送迎いらず」の習い事ニーズの高まり

ベネッセコーポレーションの調査によると、小学生の半数以上にあたる54.7%が「2つ以上」の習い事をしていると回答しています。ゴルフ、英語、学習塾、ダンス、アート、英会話など、その種類は多岐にわたります。当然ながら、複数の習い事を掛け持ちする子どもの数が増えれば増えるほど、保護者の送迎負担は大きくなります。30代の母親からは「送り迎えが大変」「幼い下の子を連れて行かなければならない」といった切実な声が聞かれ、この課題への解決策が強く求められています。こうした背景から、高まる習い事ニーズをサポートするための企業活動が活発化しています。

園内で完結!幼稚園での習い事サービス

保護者の送迎負担を軽減する具体的な取り組みの一つとして、幼稚園内で習い事が完結するサービスがあります。東京都板橋区にある「きよみ幼稚園」では、通常の保育後に専門講師を招き、英語、ダンス、ピアノ、サッカー、ロボット、ヴァイオリンなど、13種類以上の習い事を提供しています。料金は月額4,950円からで、保育料とは別に設定されています(授業回数、費用、対象年齢は習い事により異なります)。

須田浩基園長は、「保護者の方が送り迎えに苦労するケースも多いので、幼稚園の中で習い事が完結できれば」とそのメリットを語ります。習い事までの時間は無償で預かり保育を実施し、時間が来ると先生が習い事の部屋まで付き添ってくれるため、親は送迎の手間が省けると好評です。さらに、子どもが幼稚園に行きたがらない時に「ダンス教室があるよ」と声をかけると喜んで登園するなど、子どものモチベーション向上にも繋がっています。また、園の先生が子どもの体調の変化に気づきやすいという安心感も、保護者にとっては大きなメリットです。

習い事を集約した施設も登場

さらに、複数の習い事を一箇所に集約することで送迎負担を軽減する試みも進んでいます。東京都中野駅から徒歩2分の場所には「こどもでぱーと」(中野区)のような施設が登場しています。これは、様々な種類の習い事を提供する教室がビル一棟に集結しており、子どもたちは移動の負担なく複数の活動に取り組むことが可能になるという、新たな子育て支援の形を示しています。

まとめ

子どもたちの多様な能力開発への意欲と、それに応えたい保護者の気持ちが高まる中で、送迎負担という現実的な課題は看過できません。幼稚園内での習い事完結サービスや、複数の習い事を集約した施設の登場は、多忙な現代の保護者にとって画期的な解決策を提供しています。これらの新しい取り組みは、子どもの成長をサポートしつつ、保護者の子育ての質を向上させる重要な役割を担っており、今後の展開が注目されます。


参考文献