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コメ価格高騰の中、来週にも2000円台で販売される、2022年産の『古古米』。街の人にそのイメージを聞きました。
「古いお米ですよね。正直ぶっちゃけ食べたくないなと思っちゃいます。(古米を)食べたこともないし、子どもに与えるのもちょっと不安だなと」
「買おうかなって思っている。ただもう、後期高齢者なんですよ。だからやっぱりおいしいのが食べたいなという気持ちはあるんですけど」
「昔は食べてたんやで。古古米ぐらいまで食べてたんやで。(Q味の違いは?)わからへん。私らはわからへん」
「ちょっとおいしいのかなって心配ですね、安すぎても。(Q“古”という字、何個までなら許せる?)ひとつです!古米、古米まで!」
おそらく食べた人が少ない「古米」。しかし、あえて古米を使う日本人が慣れ親しんだ料理、それは『寿司』です。実は寿司飯には古米をあえて使っていることも。
寿司職人を育てる『飲食人大学』。現在、プロの寿司職人になるため3か月間、寿司の基礎をみっちりと学んでいます。
(飲食人大学 小林真也大阪校舎長)「すし店の場合は、古米をすごく大事に使うんですよね。新米の場合は少し水分量が多くて、『酢』が少しなじみにくい。(新米が出る)12月ぐらいまでは水分量がどうしても多いですから、古米の量を少し増やして、だいたい2割から3割ぐらい。新しいおいしいお米と水分をしっかり吸ってくれる古米をバランスよく使うというのをすし店がよくしますね」
おいしい寿司飯というのは、少し硬めで1粒1粒がきわだっていること。新米は水分を多く含んでいるため、硬めに炊くのも毎回水分量が安定せず、難しいのだといいます。そこであえて水分量の少ない古米をブレンドして水分量を調整。そこにすし酢を合わせて、ほどよく硬めの寿司飯に仕上げるのです。
(飲食人大学 小林真也大阪校舎長)「すしには古米は欠かせないアイテム。新米だけでなくて古米を上手に使えるかっていうのがすし店ではすごく大事になってきます。授業の中でも古米の大事さっていうのは伝えていっていますね」
(大吉洋平アナウンサー)「一般的な家庭で、古米を皆さんが召し上がる場合に何かおすすめの料理や調理法は?」
(飲食人大学 小林真也大阪校舎長)「味を吸っておいしくなってくれるコメなので、炊き込みご飯であったり、味を後から入れていくようなチャーハンといった料理にはすごく相性が良かったりしますね」
一方、小泉農水大臣は29日、2021年産の備蓄米などを食べ比べしました。「古古古米」を食べると思わず一言。
(小泉進次郎農水大臣)「(古古古米2021年産は)ちょっと硬いね。これ率直に、僕はどれを食べてもおいしくいただけます」
古米だけでなく、古古米に古古古米。私たちの食卓の風景が変わるかもしれません。
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