市川團子の快進撃:歌舞伎座主役からNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」森蘭丸役へ、父・香川照之との「新たな恩讐」

歌舞伎界の若き才能、市川團子(21才)が、この秋、そして来年と目覚ましい躍進を遂げています。歌舞伎座での大役からNHK大河ドラマへの抜擢、そして父である香川照之(市川中車、59才)との間に横たわる複雑な関係性まで、その動向が注目を集めています。彼は伝統芸能の世界で培った専門性と経験を礎に、新たな挑戦の舞台へと踏み出そうとしています。

2025年歌舞伎座『義経千本桜』で主役・源九郎狐を務める市川團子2025年歌舞伎座『義経千本桜』で主役・源九郎狐を務める市川團子

歌舞伎界の「染團コンビ」と大役抜擢

今年の歌舞伎座では、「歌舞伎三大名作」が連続上演され、その締めくくりとなる10月には大作『義経千本桜』が上演されます。市川團子はこの作品で、源義経の家臣・佐藤忠信に化けて登場し、舞台で大活躍する主役・源九郎狐という重要な役どころに抜擢されました。歌舞伎関係者からは「團子さんの躍進ぶりは目覚ましい」との声が上がっています。また、大ヒット映画『国宝』で話題となった「東半コンビ」を彷彿とさせるとして、市川染五郎(20才)との「染團コンビ」にも大きな注目が集まっており、7月には『蝶の道行』、8月には『火の鳥』で共演し、その勢いを増しています。團子は現在、青山学院大学に在学し、歌舞伎だけでなくオペラや西洋音楽に至るまで、古今東西の舞台演出を学びながら、歌舞伎役者としての稽古に精進してきました。幼少期から祖父である二代目市川猿翁(2023年没、享年83)から薫陶を受け、「学業と歌舞伎」を生活の中心に据えてきたことが、彼の専門性を裏打ちしています。

NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」で森蘭丸役に抜擢

團子にとってさらなる飛躍の機会が巡ってきました。来年放送されるNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』への出演が決定したのです。地上波のテレビドラマ初出演でありながら、いきなりの大河ドラマという大抜擢です。テレビ局関係者によると、團子が演じるのは織田信長の小姓として知られる森蘭丸。森蘭丸は15才で信長の小姓となり、容姿端麗で武芸や学問に秀で、信長から寵愛を受けたとされる歴史上の人物です。『豊臣兄弟!』は豊臣秀吉の弟・秀長の視点から戦国時代を描くサクセスストーリーであり、信長を演じるのは小栗旬(42才)です。本能寺の変で信長が討たれるシーンはドラマ序盤の山場となり、本能寺で討ち死にする蘭丸は物語のキーマンとして丁寧に描かれることでしょう。この大役は、團子が歌舞伎で培った経験と演技力を広く世に知らしめる絶好の機会となることが期待されます。

父・香川照之との複雑な関係性

歌舞伎と学業の二足のわらじを履き、大河ドラマ出演まで果たす息子の活躍を、父・香川照之(市川中車)はどのように感じているのでしょうか。2022年8月に香川の銀座クラブでの性加害疑惑が報じられてから約3年が経過し、彼のメディア露出は激減しました。NHK Eテレの人気番組『香川照之の昆虫すごいぜ!』も事実上打ち切りとなり、芸能関係者は「香川さんはスキャンダルの性質上、この先NHKに出演することはかなり厳しい」と見ています。かつて大河ドラマ『龍馬伝』で怪演を見せた香川にとって、團子の大河ドラマ出演は嬉しい半面、自身のテレビ活動が順調ではないことに歯がゆさを感じている可能性も指摘されています。もとより、父子の関係には深い溝が横たわっています。2016年に香川と團子の母である前妻が離婚したことを機に、團子は日常生活では母と、歌舞伎の稽古では香川と過ごすという二重生活を送ることになりました。思春期という難しい時期だった團子と香川の関係はギクシャクし、加えてトラブルが発覚したことで溝は決定的なものになったとも言われています。「團子さんが香川さんのことを“人として恥ずかしい”と断罪したとも囁かれています」と別の芸能関係者は語り、今後團子がテレビ俳優としても活躍していけば、香川との間に「新たな恩讐」が生まれる可能性を示唆しています。長らくテレビで活躍してから歌舞伎界入りした香川とは対照的に、逆の道を進む團子の挑戦を、父は遠くから見守るしかない状況です。

市川團子は、歌舞伎座での主役からNHK大河ドラマへの出演と、まさに快進撃を続けています。伝統芸能の専門知識と現代的な学問を融合させ、さらにテレビという新たな表現の場へと活動を広げる彼のキャリアは、多くの人々の注目を集めています。父・香川照之との複雑な関係性も取り沙汰される中、團子がこれからどのような俳優としての道を切り拓いていくのか、その動向から目が離せません。


参考文献: