伊東市長の不信任決議案可決:田久保市長、学歴問題と公約遂行の狭間で続投表明

静岡県伊東市議会は1日、学歴問題を巡り田久保真紀市長に対する不信任決議案を可決しました。市長就任前から伊豆高原の大規模太陽光発電所(メガソーラー)計画の白紙撤回を掲げ、市民の支持を得てきた田久保市長は、これまで公約実現と市民からの応援を理由に続投を宣言しています。市議会の辞職圧力に対し、調査特別委員会(百条委員会)に弁護士を同席させるなど対決姿勢を貫いており、今回の不信任決議に対する最終的な対応が注目されています。

主要な公約と市民の支持

田久保市長は市長就任前、メガソーラー建設計画反対団体の事務局長や代表を務め、経済産業省への陳情活動を活発に行ってきました。現在、この計画は事業地にたまる雨水などの付近の川への排出を市が認めないため中断していますが、田久保市長はこれを不十分とし、今年5月の市長選で計画の「白紙撤回」を主要な公約として掲げました。伊東市初の女性市長として当選後、彼女は市民からの「負けないでほしい」という応援の声や、公約であるメガソーラー計画の白紙撤回などを「必ずやり遂げなければならない」と力説し、続投への強い意思を表明しています。

学歴問題の経緯と市議会との対立

田久保市長は市の広報誌などで東洋大学卒と紹介されていましたが、実際には大学を除籍となっていたことが発覚し、学歴問題として大きな波紋を広げました。この問題を受け、市議会で辞職勧告決議が可決され、一時は7月に辞職し出直し市長選で民意を問う方針を示しました。しかし、その後、公約遂行と市民の応援を理由に一転して続投を宣言し、市議会との対立姿勢を強めています。

伊東市議会の百条委員会で弁護士に相談する田久保真紀市長伊東市議会の百条委員会で弁護士に相談する田久保真紀市長

学歴問題の焦点となっているのは、田久保氏が所持しているとされる「卒業証書」の内容と、その入手経緯です。一連の記者会見では弁護士を伴って出席し、書類公開を求める質問に対して弁護士は刑事告発を理由に「刑事事件の証拠を安易に公開することはできない」と主張しました。また、捜査への対応についても「卒業証書の押収は拒絶する方向になると考えている」と説明しています。

百条委員会での市長の姿勢

8月13日に開催された市議会百条委員会の証人尋問では、田久保市長が複数回にわたり同席の弁護士に相談する姿が目撃されました。この場で田久保氏は、書類の提出を拒否し、入手経緯については「記憶にない」と証言しました。さらに、批判的な質問をする委員に対しては、「質問の意図を簡潔にまとめていただきたい」と要望するなど、あくまで自身のペースを崩さない姿勢を見せました。

結論

伊東市議会による不信任決議案の可決という重大な局面を迎えても、田久保真紀市長は公約遂行への固い決意と市民からの支持を背景に続投の姿勢を崩していません。学歴問題を巡る市議会との対立は深まるばかりであり、百条委員会での弁護士同席や書類提出拒否など、その強硬な対応は注目を集めています。今後、不信任決議に対する田久保市長の最終的な判断が、伊東市政の行方を大きく左右することになります。

参考文献: