異例の猛暑が続いた日本列島に、ようやく終わりが見えてきました。9月に入っても38℃を超える地点が観測されるなど、観測史上稀に見る高温が続いていますが、今週後半からは天候が大きく変化する見込みです。待望の雨が猛暑を和らげる一方で、南から接近する低気圧の影響で、地域によっては大雨となる可能性もあり、警戒が必要です。
秋雨前線が接近し、雨雲が日本列島を覆う様子。記録的な猛暑が続く中、待望の雨が近づいていることを示唆しています。
記録的猛暑の終焉と待望の秋雨
9月1日(月)も、名古屋で9月の観測史上最高となる38℃、山形で37℃、東京で36℃が予想されるなど、全国的に厳しい残暑が続いています。特に都市部では、連日猛暑日となり、熱中症への警戒が呼びかけられていました。しかし、この記録的な暑さもまもなく一区切りを迎えます。秋雨前線が西日本から東日本にかけて南下し、9月3日(水)以降は広範囲で雨が降る見込みです。この雨によって、ようやく猛暑が収束に向かうと予想されており、4日(木)には名古屋で8月14日以来となる最高気温35℃未満が期待されています。東京でも同日の最高気温は31℃と予測されており、長期間猛暑に晒され続けた体にとっては、一息つけるような気温となるでしょう。
長期化する渇水状況と恵みの雨
お盆前には九州で大雨特別警報が発令されるなど、一部地域では記録的な大雨に見舞われましたが、お盆以降は山沿いでのゲリラ雷雨を除き、西日本から東日本の市街地では極めて雨の少ない状況が続いています。特に多くの地域で20日間の降水量が0mmという地点も多く、大地はカラカラに乾ききっていました。
【8/12〜31の20日間降水量(平年比)】
- 東京:2.0mm(2%)
- 千葉:0.0mm(0%)
- 横浜:0.5mm(0%)
- 浜松:0.0mm(0%)
- 名古屋:3.0mm(3%)
- 岐阜:1.5mm(1%)
- 和歌山:1.5mm(2%)
- 高松:4.0mm(6%)
このデータが示すように、平年と比較しても圧倒的に少ない降水量が、広範囲にわたる渇水状態を引き起こしています。そのため、今週後半に予想されるまとまった雨は、乾燥した大地にとってまさに「恵みの雨」となることが期待されます。
南からの低気圧接近、警戒すべき大雨の可能性
しかし、この雨を手放しで喜んでばかりはいられません。状況によっては、大雨となる恐れがあります。その鍵を握るのは、日本の南海上にある低気圧の動向です。この低気圧は今後発達しながら日本列島に接近する可能性があり、秋雨前線の活動を活発化させる恐れがあります。熱帯低気圧や台風として接近した場合、太平洋側を中心にかなりの大雨が予想されます。「猛暑のち大雨」という極端な天候の一週間となる可能性も否めません。熱中症対策は引き続き重要ですが、それに加えて、土砂災害や河川の増水、浸水など、大雨に対する備えも今一度確認し、万全の対策を心がける必要があります。
まとめ
記録的な猛暑が続く日本列島ですが、今週後半には秋雨前線の南下により、待望の雨が降り、暑さが和らぐ見込みです。一方で、長期化する渇水状態の解消に繋がる恵みの雨となることが期待されるものの、南から接近する低気圧の動きによっては、広範囲で大雨となる恐れもあります。このため、猛暑対策と同時に、大雨への備えも怠らず、今後の気象情報に注意を払うことが重要です。
参考文献:
- テレビ朝日