8月30日と31日に放送された大型特別番組『24時間テレビ48-愛は地球を救う-』(日本テレビ系)で、その国民的知名度を誇る萩本欽一氏の振る舞いが視聴者の間で大きな議論を呼んでいます。特にインターネット上では、彼の番組内での態度に対して「不快」「威圧的」といった批判の声が多数上がり、長年の功労者である萩本氏の芸風と現代のコンプライアンス意識との間に生じたギャップが浮き彫りになりました。
「全日本仮装大賞」スペシャルで巻き起こった波紋
今年の『24時間テレビ』では、萩本氏が長年司会を務める人気番組『欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞』のチャリティースペシャルが企画され、31日の生放送で披露されました。審査員席には『24時間テレビ』総合司会の上田晋也氏(くりぃむしちゅー)をはじめ、チャリティーパートナーの氷川きよし氏、志尊淳氏、浜辺美波氏らが並び、アンミカ氏や大久保佳代子氏といった豪華な顔ぶれが揃いました。
しかし、番組放送中からX(旧Twitter)では、「欽ちゃんの威圧的な態度、見てて不快な気持ちになる」「あの態度に見てるこっちがしんどくなったわ。俺ならあの雰囲気は絶対耐えられない」「欽ちゃんってこんなに偉そうな人だっけ?」など、萩本氏の振る舞いに対する厳しい意見が相次ぎました。これらの声は、番組のチャリティー精神や感動を期待する視聴者にとって、不協和音として響いたことを示唆しています。
視聴者が「威圧的」と感じた具体的な場面
視聴者が「威圧的」と感じた具体的な場面は複数報告されています。まず、番組冒頭で萩本氏が「時間ないから」と前置きし、その後、審査員が感想を述べると「長すぎ!」と厳しくツッコミを入れる場面がありました。これにより、出演者には簡潔なコメントが求められる独特の空気が作られました。
24時間テレビの生放送中、プロ卓球選手の伊藤美誠氏(右)に対し厳しいツッコミを入れる萩本欽一氏(左)
特に注目を集めたのは、仮装側のスペシャルゲストとして登場したプロ卓球選手の伊藤美誠氏への対応です。萩本氏は、伊藤選手がコメントしている途中で話を遮り、「話が長い!」と指摘。また、総合司会の上田晋也氏に対しても、少々厳しいツッコミを入れる場面が見られました。芸能記者によると、「萩本さんのイジりの一環だったのでしょうが、人によっては、“威圧的な態度”と感じる人もいたのでしょう」と分析しています。さらに、MCの羽鳥慎一氏が萩本氏のイジりをフォローしたり、大久保佳代子氏があえて簡潔なコメントに終始するなど、周囲の出演者が気を遣う様子が見られ、「ピリピリした空気」を感じさせた可能性も指摘されています。
変わる時代の「お笑い」と萩本欽一の芸風
萩本欽一氏は、『24時間テレビ』が始まった1978年に総合司会を務め、2007年にはチャリティーランナーを務めるなど、番組の知名度向上に大きく貢献した功労者の一人です。彼の「素人イジり」を筆頭とした芸風は、バラエティ番組『スター誕生!』(日本テレビ系)などで多くの笑いを生み出してきました。
しかし、近年のバラエティ番組では、出演者に対する「ツッコミ」や「イジり」が厳しく見えるという指摘がSNSなどで増えています。コンプライアンスが重視され、ハラスメントへの意識が高まる現代において、度を越したイジりは物議を醸すことも少なくありません。このため、一部の視聴者は、萩本氏の伝統的なお笑いスタイルが「令和のお茶の間」の感覚とミスマッチに感じられたのかもしれません。
時代の変化とともに、エンターテインメントのあり方も常に進化しています。長年にわたり多くの人々に愛されてきた萩本氏の芸が、現代の視聴者層にどのように受け入れられ、どのような形で新たな価値を生み出すのか、今後の彼の活躍に注目が集まります。
参考文献
- Yahoo!ニュース (Smart-FLASH) 2025年9月1日付記事「萩本欽一、『24時間テレビ』生放送で物議の「威圧的態度」…コンプライアンス重視の令和にミスマッチ?」
https://news.yahoo.co.jp/articles/52fe587674f3970f99653c628658149b7a0aeaf3