日本が「異常気象のアナザーワールド」へ:立花義裕教授が警鐘を鳴らす40℃超えの現実と未来

世界が地球温暖化による「アナザーワールド」の入り口に立っていると、三重大学大学院生物資源学研究科の立花義裕教授は警鐘を鳴らしています。教授が著書『異常気象の未来予測』(ポプラ社)で予測した「夏の気温40℃が当たり前の世界」は、日本ではすでに現実のものとなりました。教授の想像を上回る速さで異常気象が進行し、日本は既にその「アナザーワールド」に半歩足を踏み入れています。日本人はこの切迫した状況を遠い話と捉えがちですが、まさに日本人こそが異常気象に対して最も敏感であるべきだと、立花氏は強く訴えます。

日本の夏を襲う「災害級」の猛暑と集中豪雨

2025年の日本の夏は、短い梅雨明け直後から猛烈な暑さに見舞われました。群馬県伊勢崎市では観測史上最高の41.8℃を記録したのをはじめ、全国各地で40℃を超える気温が計測されています。晴れれば命にかかわるほどの猛暑が続き、一転して雨が降れば集中豪雨に見舞われるという極端な気候が常態化。多くの日本人が「災害級の異常気象に晒されている」と肌で感じていることでしょう。立花教授は著書の中で、こうした激しい気候変動が発生するメカニズムを詳細に解説し、その根本原因である地球温暖化に対して強い警鐘を鳴らしています。

異常気象の未来予測に示された、偏西風の蛇行と高気圧が猛暑を引き起こすメカニズム異常気象の未来予測に示された、偏西風の蛇行と高気圧が猛暑を引き起こすメカニズム

予測を上回る地球温暖化の進行:北極圏から加速する異変

立花教授は、異常気象が地球温暖化に伴う現象であり、その進行が科学者の予測よりも遥かに早いと指摘します。例えば、地球温暖化の影響を最も強く受ける北極圏では、当初2030年頃から永久凍土が溶け始めると予測されていたにもかかわらず、実際には2010年から急速に融解が進んでいます。この永久凍土の融解によりメタンガスなどの温室効果ガスが大量に放出され、温暖化がさらに加速するという悪循環に陥っているのです。現在の日本での40℃超えは、地形的に高温になりやすい一部地域での現象で、多くの日本人にとって未経験の領域と言えます。しかし、立花教授は、このまま手をこまねいていれば、今後は大都市でも40℃を超える高温に見舞われ、45℃に達する都市も出現するだろうと警鐘を鳴らしています。

「観測史上最高」が常態化する日本の気候

近年の日本では、気温だけでなく、降水量や降雪量においても「観測史上最高」という言葉が日常的に使われ、その記録更新が毎年繰り返されています。このような極端な気候が常態化してしまった根本的な原因は、一体どこにあるのでしょうか。立花教授の研究は、地球規模での気候変動がもたらす深刻な影響を浮き彫りにし、私たちの社会が直面する喫緊の課題を提起しています。

参考文献

  • 『異常気象の未来予測』(立花義裕著、ポプラ社)
  • Yahoo!ニュース: 「日本はアナザーワールドに半歩足を踏み入れている」 (Original Source Link: https://news.yahoo.co.jp/articles/f90b4cb4ec4ce70140151b3d035938f75cbf71a5)