人気俳優の清水尋也容疑者(26)が、大麻を含む植物片を所持していたとして、警視庁薬物銃器対策課により3日、麻薬取締法違反の疑いで逮捕されました。同居する20代の女性も共に逮捕されており、清水容疑者は「大麻を持っていたことは間違いありません」と容疑を認めています。この逮捕は、現在出演中のTBS日曜劇場「19番目のカルテ」や、今秋放送予定のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」といった主要作品に大きな影響を与え、関係各局は緊急の対応に追われています。
逮捕の経緯と押収物
警視庁薬物銃器対策課は、3日午前4時過ぎに清水容疑者の自宅を家宅捜索しました。その際、部屋のテーブル上に置かれていたファスナー付きの袋の中から、大麻とみられる植物片や吸引に使用する巻き紙などが隠されることなく発見され、押収されました。
清水容疑者と女性は同日午前5時56分に逮捕され、清水容疑者は白いTシャツにモノトーンのキャップを目深にかぶり、マスク姿で自宅から連行されました。その後、取り調べを受けていた警視庁本部から東京湾岸署へ移送されています。
捜査の背景と関係者
同課は今年1月、清水容疑者が大麻を使用している疑いがあるとの情報を入手し、内偵捜査を開始していました。今回の逮捕は、清水容疑者が常習的に大麻を使用していた可能性も視野に入れ、詳しく調べているとのことです。
同居の女性は清水容疑者の交際相手とみられており、芸能関係者ではありません。2人の逮捕容疑は、今年7月頃に自宅で大麻を含有する植物片を所持していた疑いです。
所属事務所の対応と俳優としての足跡
この度の逮捕を受け、清水容疑者が所属する「オフィス作」(松田優作さんの妻である松田美由紀氏が社長を務める)は、公式サイトで謝罪コメントを発表しました。事務所側は報道で逮捕の事実を知り「大変困惑しております」と状況を説明。現在、本人とは連絡が取れておらず、弁護士を通じて事実確認を進めているとしています。
清水尋也容疑者は2012年に芸能界デビュー。2014年の映画「渇き。」での演技が注目を集め、その後も映画「東京リベンジャーズ」シリーズをはじめとする数々の人気作品に出演し、将来を嘱望される若手俳優の一人として活躍してきました。芸能関係者からは「俳優としてこれからという時期に、なぜこのような事態に…」と落胆の声が上がっています。
大麻所持容疑で逮捕された俳優・清水尋也氏、「19番目のカルテ」舞台挨拶にて
出演作品への多大な影響
清水容疑者の逮捕は、現在放送中および放送予定のテレビ番組に深刻な影響を及ぼしています。
現在、TBS日曜劇場「19番目のカルテ」に新米医師役で出演中であり、7日に最終回を控えていましたが、同局は「出演シーンをカットする方向で対応を進めている」とコメント。制作陣は最終回に向けた緊急の編集作業に追われています。
さらに、今秋から始まるNHK連続テレビ小説「ばけばけ」への出演も決定しており、既に撮影も開始されていました。NHKはスポニチ本紙の取材に対し「出演を予定していましたが、逮捕を受けて取りやめました」と説明。局関係者によると、清水容疑者は主人公(高石あかり)が上京後に出会う人物として、物語の4週目から登場する予定だったとのことです。これにより、関係者は「代役を立てて撮り直す方向になるだろう。既にセットを解体しているため、撮影日程に大きな変更が出そうだ」と頭を抱える事態となっています。
結び
今回の清水尋也容疑者の大麻所持による逮捕は、本人の俳優としてのキャリアに甚大な影響を与えるだけでなく、彼が出演する複数の大型作品の制作にも多大な混乱と損害をもたらしています。テレビ局や制作会社は急遽、番組内容の変更や撮り直しといった対応を迫られ、その影響は広範囲に及んでいます。芸能界における薬物事件の深刻さを改めて浮き彫りにする事態となりました。