米ニューヨークで、カフェ兼ワインバー「MAMALI NYC」を経営する移民オーナーのマリアムさん(25)が、客から英語のアクセントを理由にした人種差別的暴言を受けました。このカスタマーハラスメント(カスハラ)とも解釈される実際のやり取りを記録したSNS投稿は、400万回以上再生され、大きな波紋を呼んでいます。
ジョージア出身オーナー、言葉の壁に直面
ジョージア出身で、4年前にアメリカへ渡ったマリアムさんは、8月19日に投稿したSNS動画で、客の注文を取る自身の姿を公開しました。映像には客の顔は映っていませんが、マリアムさんが経験した人種差別的な言動が克明に記録されています。マリアムさんが客に「ジョージア出身で、英語はあまり上手ではないかもしれない」と伝えると、男は「アメリカで働いているのだから、上手な英語を話すべきだ。それは言い訳にならない」と冷たく返答しました。
「なぜ学ばない?」— 客からの執拗な非難
客の男は、マリアムさんに「アメリカに来てからどれくらい経つのか?」と尋ね、彼女が「4年」と答えると、「4年? もっときちんと英語を学ぼうと思わなかったの?」と追及しました。さらに、「ちゃんと英語を話せるオーナーはいるのか?」と問いかけ、マリアムさんが「私がオーナーです」と答えても、男は「あなたが何を言っているのか理解できないから帰る」と言い放ちました。
米国ニューヨークの飲食店にて、英語のアクセントを理由に客から人種差別的な暴言を受ける移民オーナーの様子。
嘲笑と差別的な言葉で立ち去る客
マリアムさんが「なぜ叫んでいるのですか?」「よくないことですよ?」と問い返すと、男は語気を強め、「あなたは英語を話せていない。私の時間をムダにしている」と非難しました。そして、「ボウル(bowl)なの? それとも骨(born)なの? ここは骨を売っているのか?」「あなたはボーンと言いました。骨なんか食べたくない」「よい1日を。英語を勉強してください」と、マリアムさんの発音を嘲笑しながらその場を立ち去りました。
マリアムさんのメッセージと社会への問いかけ
客の言動にあ然としたマリアムさんは、動画のキャプションで「私はまだすべての言葉を理解できないかもしれないけれど、これだけは言えます。学びは決して止まらず、お互いを高め合うことで成長する。この人はロールモデルではありませんでした」と綴りました。この出来事は、移民が直面する言葉の壁や人種差別問題、そしてサービス業におけるカスハラの深刻さを浮き彫りにし、多様性社会における相互理解の重要性を改めて問いかけるものとなっています。
参考資料
- BuzzFeed Japan, 「NYの飲食店オーナー、客から英語アクセント巡る人種差別的暴言に直面 – カスハラ動画が400万回再生」, Yahoo!ニュース, https://news.yahoo.co.jp/articles/44049073890108ecba0b40e1b9e9fc92414bbd71