9月2日、自民党は参院選の総括をまとめた16ページにわたる報告書を公表し、「解体的出直し」という表現が盛り込まれました。森山幹事長をはじめとする「党四役」全員が辞意を表明する中、石破総理の進退は依然として不透明です。政治ジャーナリストの青山和弘氏は、関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」に出演し、石破総理が衆議院を解散する可能性について、「単なる脅しで済まなくなる可能性もある」と指摘しました。この発言は、永田町に新たな波紋を広げています。
「石破おろし」を巡る3つの選択肢:総裁選、辞任、解散の可能性
石破首相の進退問題に揺れる自民党、衆議院解散の可能性も示唆
青山和弘氏によると、2日の参議院選挙の総括を受けて、石破総理の進退には大きく分けて三つのシナリオが考えられます。一つ目は、一部から求められている総裁選の前倒しに党全体が突き進むケース。二つ目は、党内の説得工作が実を結び、「これ以上はまずい」との判断から石破総理が自発的に辞任する可能性。そして三つ目は、この難局を打開するため、「伝家の宝刀」である衆議院解散に打って出るという選択肢です。
青山氏は、石破総理自身も衆議院解散を念頭に置いていると示唆しています。しかし、自民党内部の「紛争」を抑止するためだけに解散を行うことは、いかにも大義を欠くと石破総理自身も認識しているとのこと。それでも、現在の膠着した局面を打破するには、解散が唯一の打開策となる可能性もゼロではないと、青山氏は分析しています。
自民党内に募る「分裂含み」の危機感と解散の思惑
政治ジャーナリスト青山和弘氏が石破総理の決断について解説
自民党の今後を巡る重要なスケジュールが控えています。9月3日には麻生派の研修会が予定されており、麻生最高顧問が総裁選の前倒しを表明するとみられています(※その後実際に表明)。さらに、9月8日には国会議員らが総裁選実施を求める申し入れ書類を提出し、過半数の署名が集まれば、総裁選が現実のものとなります。
青山氏は、総裁選挙前倒しの署名提出まで進めば、反石破勢力の顔ぶれが明らかになり、党内に「反石破名簿」のようなものが形成され、自民党が「分裂含み」となる深刻な危機感を表明しています。もし石破政権がこのまま続行したとしても、政権運営は困難を極めるとの見方が強まっています。そのため、多くの関係者が、党が分裂する前に石破総理が自ら辞任することを求めている状況です。あるいは、総裁選が事実上の「リコール」となる前に、衆議院を解散し「国民に意見を聞きたい」という石破総理の思惑も背景にあると、青山氏は分析しています。
現在の自民党は、参院選総括をきっかけに、党首の進退、党内対立、そして国政の安定という複数の課題に直面しています。石破総理がどのような決断を下すのか、その一挙手一投足が今後の日本政治の行方を大きく左右することになるでしょう。
参考資料
- 関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」
- Yahoo!ニュース: https://news.yahoo.co.jp/articles/8cb86f9652373c086d4733bad1a32b11aac6d31f