関西電力の役員らによる金品受領問題を調査している第三者委員会(委員長・但木敬一元検事総長)は15日、大阪市内で記者会見を開き、100人以上の役員や社員らに直接ヒアリングを行ったほか、約600人に書面調査を実施したと説明した。現在の調査状況は「5合目」(但木委員長)というなか、どこまで真相に迫れるかが注目される。
「調査については言うなと口止めされている」。関電関係者の1人はこう話し、第三者委から質問内容はもちろん、聴取を受けたことさえ口外しないよう誓約書を書かされたと明かした。聴取では森山氏との面識や金品受領の有無などが聞かれたという。
聴取を受けた別のOBは「すでに話してきたが、二度目はあるのか分からない」と述べた。複数のOBや現役幹部が誓約書の存在を認めており、第三者委の徹底した情報管理がうかがえる。
第三者委は10月9日に発足。関電の社内調査は平成23~30年に在籍した原発部門を中心とする役員ら26人のみを対象としたことから、調査対象を他の役員やOBなどに拡大した。また、全社員約2万人から1万円以上の金品を受領した経験がないかの申告を求めたほか、OBにも情報提供窓口を設けた。
今後、歴代役員らOBを含め金品受領がどこまで広がっていたのか、便宜供与の有無などが調査の焦点となる。ただ、森山氏はすでに死亡しており、同氏と関係が深いとされる高浜町の建設会社「吉田開発」や警備・人材派遣会社「オーイング」などに対する調査がどこまで行えるのかが真相解明の鍵となる。