トランプ氏、2026年G20首脳会議のフロリダ開催を発表 – 倫理的懸念再燃か

【ワシントン発】米国のドナルド・トランプ前大統領は5日、米国が議長国を務める2026年12月開催予定の主要20か国・地域(G20)首脳会議について、自身の家族企業が所有するフロリダ州マイアミ近郊のゴルフリゾート「トランプ・ナショナル・ドラル」で開催する意向を表明しました。この発表は、過去に同様の計画が倫理的な懸念から断念された経緯があるため、再び議論を呼ぶ可能性があります。

マイアミのゴルフリゾートが舞台に

トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、このリゾートでの開催は「誰もが望んでいる」と強調し、自身が金銭的な利益を得ることはないと説明しました。しかし、前大統領が所有する施設を国際的な主要会議の会場とすることに対しては、公私混同や利益相反の可能性を指摘する声が上がっています。同氏にとって、自身の不動産で首脳会議を開催することは長年の「悲願」とされています。

トランプ前大統領、G20首脳会議のフロリダ開催を発表トランプ前大統領、G20首脳会議のフロリダ開催を発表

過去のG7誘致計画と倫理的懸念

トランプ氏は第1次政権時の2019年にも、翌2020年の先進7か国(G7)首脳会議を同じ「トランプ・ナショナル・ドラル」で開催する計画を発表しました。しかし、この計画は国内外からの強い倫理的懸念と批判に直面し、最終的に断念せざるを得ませんでした。当時のホワイトハウスは、納税者の費用削減や利便性を理由に挙げていましたが、利益相反の指摘を払拭することはできませんでした。

主要国首脳への招待意向

記者団から、中国の習近平国家主席やロシアのウラジーミル・プーチン大統領を招待するかどうかを問われたトランプ氏は、「彼らが望むならぜひ出席してほしい」と述べ、両国の首脳が参加することに前向きな姿勢を示しました。さらに、首脳会議には東欧の重要なパートナーであるポーランドも招待する意向があることを明らかにしました。

2026年のG20首脳会議の開催地を巡る今回の発表は、今後、前大統領の公務と私的利益の境界線について、国際社会および米国内で再び活発な議論を巻き起こすことが予想されます。

参考文献