今年6月に還暦を迎えた女優の沢口靖子が、10月スタートのフジテレビ系“月9”ドラマ「絶対零度〜情報犯罪緊急捜査〜」で主演を務めることが発表され、大きな注目を集めています。沢口がフジテレビの連続ドラマに出演するのは、実に35年ぶりの快挙となります。長年親しまれた役柄からの大胆な転身は、ファンのみならず多くの視聴者に驚きと期待を与えています。
沢口靖子が最新ドラマ「絶対零度」で情報犯罪の捜査官を演じる姿
「科捜研の女」からの転換:35年ぶり月9主演の背景
これまで25年間、テレビ朝日系ドラマ「科捜研の女」で榊マリコ役をシーズン24まで務め上げた沢口靖子が、なぜこのタイミングでフジテレビの看板枠である「月9」への出演を決めたのか、その舞台裏がテレビ関係者によって明かされています。「科捜研の女」は長期シリーズ化する中でマンネリ化や視聴率低迷の懸念が浮上し、テレビ朝日側も打ち切りを検討していたとされます。沢口側もこの状況を察しており、「科捜研」への思いを断ち切るためにも、新たな挑戦の機会としてフジテレビからのオファーを受諾した模様です。沢口自身も「新しい自分を発信したい」と抱負を語っており、今回の「絶対零度」では役作りのために6センチ髪をカットしたショートヘア姿を披露するなど、その意欲の高さがうかがえます。「絶対零度」は上戸彩や沢村一樹が主演を務めた人気シリーズの復活であり、沢口の参加で新たな化学反応が期待されています。
デビューから「科捜研の女」までの輝かしい軌跡
大阪出身の沢口靖子は、1984年に18歳で「東宝シンデレラ」グランプリに輝き、女優および歌手として華々しいデビューを飾りました。その後、映画「ゴジラ」で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、19歳でNHK連続テレビ小説「澪つくし」のヒロインに抜擢され、その人気を不動のものとします。東宝芸能に所属し、映画を活動の母体としながらも、テレビドラマを主戦場にサスペンスから喜劇まで幅広いジャンルでキャリアを積み重ねてきました。元テレビ誌記者によると、「お人形のような顔と透き通るような白い白い肌で、ドラマでは『清楚なお嬢様』の印象が強いですが、大阪人らしいノリで『タンスにゴンゴン』のCMを田中真紀子風に演じるなど、意外なコミカルな一面も持ち合わせていました」と語ります。
1999年10月には「科捜研の女」がスタート。当初は視聴率に伸び悩みが見られましたが、2005年頃からは安定して2桁を記録し、テレビ朝日の「相棒」と並ぶ長寿人気ドラマシリーズへと成長しました。別の放送記者は「科学捜査で犯罪を解決するという地味なストーリーでありながら、真面目で一本気な性格で、時に茶目っ気を見せる榊マリコは、沢口さん自身も『私の分身』と言い切るほどのハマり役でした」と、役柄と女優の一体感を強調しています。
ベールに包まれた私生活と新たな挑戦への期待
芸能生活41年を誇る沢口靖子ですが、その私生活は常に神秘のベールに包まれてきました。女性誌記者によると、「23歳の時に阿部寛さんとのディズニーランドデートが報じられたことが唯一の熱愛報道でしたが、沢口さん自身が『仕事仲間も一緒に行っただけ』と交際を否定しました。その後は浮いた話はもちろんのこと、普段の生活でさえほとんどメディアに報じられることがありません」と語ります。現在は5年前に購入した都内の高級マンションに一人で暮らしているとされ、その鉄壁なガードはメディアの“捜査”もお手上げ状態です。
今回、35年ぶりの月9主演となる「絶対零度」では、特殊詐欺といった情報犯罪に立ち向かう刑事役に挑戦します。沢口靖子は「新たな役にチャレンジできることが嬉しかった」と意欲を表明しており、この新しい試みが注目されています。長年フジテレビの顔として親しまれてきた月9枠が近年低迷傾向にある中で、沢口靖子がかつて「東宝シンデレラ」と呼ばれたように、今度はフジテレビを救う“シンデレラ”となれるのか、今後の放送に大きな期待が寄せられています。
参考文献:
- 「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年9月11日号
- Yahoo!ニュース (https://news.yahoo.co.jp/articles/8c09d3c3441eea3a35c53dacb2e7d217dde6d709)