秋の園遊会:皇室と著名人の交流、紀子さま「競走馬」発言の波紋と深い背景

10月28日、天皇皇后両陛下が主催される秋の園遊会が東京・赤坂御苑で盛大に執り行われました。秋晴れの下、両陛下をはじめとする皇室の方々が招待者と心温まる交流を深め、特に雅子さまは色鮮やかなセットアップとお帽子で会場に華を添えられました。この伝統ある行事は、社会に貢献した方々や各界の著名人を招き、皇室との貴重な触れ合いの機会を提供するものです。

皇室を彩る秋の園遊会:天皇皇后両陛下と武豊氏の「競馬トーク」

園遊会では、皇室の方々が招待者の代表者たちと懇談されるのが慣例です。今回は、競馬騎手の武豊さんと、能登半島で被災された漆芸作家の人間国宝、山岸一男さんなどが招待され、天皇皇后両陛下との交流が注目を集めました。特に武豊・佐野量子夫妻との懇談では、両陛下の競馬に対する深い造詣が明らかになり、関係者を驚かせました。

陛下は10月25日開催のアルテミスステークスで武騎手が騎乗した「マルガ」について言及され、雅子さまも「ドウデュース」「スペシャルウィーク」「ディープインパクト」といった名馬の名前を挙げられました。さらには「マルガ」のいとこにあたる白毛の馬や、「スペシャルウィーク」の子どもにあたる馬が皇宮警察にいることまで詳細に語られ、武騎手もその知識の深さに感銘を受けたようです。愛子さまも熱心に質問を投げかけられ、皇室一家の競馬への情熱が伝わる一幕となりました。

秋篠宮ご夫妻の交流:分かれての懇談と紀子さまの「けいそうば」発言

天皇皇后両陛下が招待者一人ひとりと丁寧に懇談される一方で、秋篠宮ご夫妻は途中から秋篠宮さまと紀子さまが別々に招待者と交流される場面が見られました。それぞれが相手のペースに合わせ、会話を弾ませる中で自然とこのような形になったと報じられています。

武夫妻との懇談でも、秋篠宮さまは「競馬はよくわからないのですが」と謙遜されながらも、「パドックで馬はかなり緊張しているのでしょうか?」「競馬にはサラブレッドが一番向いているのでしょうか?」など、馬の性質に関する質問を熱心に投げかけられました。

続く紀子さまとの懇談では、ある発言がネットやSNSで話題となりました。紀子さまが武騎手に「競走馬」について尋ねられる際、少し言葉に詰まりながら「けいそうば」と述べられたのです。武騎手が間髪入れずに正しい読み方である「きょうそうば」と会話を繋がれると、紀子さまは訂正された上で、引退した競走馬のセカンドキャリアについて質問されました。武騎手が宮内庁でも引退馬の世話をしていると答えると、紀子さまは「(宮内庁車馬課の)主馬班でしょうか」と応じられました。

赤坂御苑の秋の園遊会で招待者と懇談される秋篠宮ご夫妻赤坂御苑の秋の園遊会で招待者と懇談される秋篠宮ご夫妻

「ご記憶違い」へのSNSの反応と映像の削除

この和やかな歓談の様子が報道されると、X(旧Twitter)では紀子さまの「ご記憶違い」に驚きの声が上がりました。「かなりビックリしました」「なかなか言葉が出ず、言い間違いをする紀子さまを武豊さんがフォローして会話を繋げている。凄いシュールな映像」といったコメントが見受けられました。また、「招待者について事前に予習していなかったのでは?」と疑問視する声も一部で散見されました。

この紀子さまと武夫妻の会話を収めた映像は、当初28日に「TBS NEWS DIG Powered by JNN」の公式YouTubeチャンネルで公開されましたが、30日までには当該部分がカットされたようです。

紀子さまの意外な「馬」との繋がりと発言の背景考察

一見すると意外に思える紀子さまの「ご記憶違い」ですが、実は紀子さまは馬と深い繋がりをお持ちであることが知られています。亡き父である川嶋辰彦さんは学習院大学で教授を務める傍ら、同大学の馬術部部長として馬の世話に携わっていました。紀子さまが秋篠宮さまとご結婚が決まった当時、「3LDKのプリンセス」と呼ばれたのは、大学敷地内の厩舎近くの職員宿舎にお住まいだったことに由来する有名な逸話です。

さらに、弟の川嶋舟さんは獣医師であり、彼の前妻は福島県に千年以上の伝統を持つ「相馬野馬追」の代表メンバーでした。紀子さまご自身も乗馬経験がおありで、馬に慣れ親しんだ環境で育ってこられたため、全く知識がないわけではありません。

では、なぜ「けいそうば」という言葉が出たのでしょうか。皇室担当記者からは、「秋篠宮さまが武夫妻との懇談で、まだレースを見に行く機会がないとおっしゃられていたように、紀子さまもギャンブルとしての競馬をご覧になる機会が少なかったのかもしれない」との推察が出ています。あるいは、直前に全日本ろうあ連盟元理事長の石野富志三郎さんと手話を使って会話された後だったため、言葉が出にくかった可能性も指摘されています。さらに、サラブレッドなど競馬や乗馬に適した馬を指す「軽種馬(けいしゅば)」という言葉と混同された可能性も考えられます。

今後の皇室と競馬:深まる交流への期待

今回の園遊会での武豊氏との交流をきっかけに、秋篠宮ご夫妻が今後、競馬というスポーツにさらに興味を持たれるかもしれません。11月2日には第172回天皇賞(秋)が開催されます。紀子さま、そして秋篠宮ご夫妻がこの伝統あるレースを鑑賞されるかどうか、今後の皇室の動向に注目が集まります。園遊会での一幕は、皇室の開かれた姿勢と、国民との多様な交流の可能性を示すものでした。

参考文献

  • Yahoo!ニュース (元記事)
  • Jisin.jp
  • TBS NEWS DIG Powered by JNN (公式YouTubeチャンネル)