元衆議院議員で弁護士の山尾志桜里氏が10月30日、自身のX(旧Twitter)を更新し、高市早苗首相(※)の振る舞いに対する一部の「媚びを売るな」という批判に対し、不快感を露わにして反論したことが大きな話題を呼んでいる。この山尾氏の投稿は、高市首相の行動を巡る議論に新たな側面を加える一方で、山尾氏自身の過去の経緯からネット上では賛否が渦巻いている。
(※記事は、元記事の内容に基づき、執筆時点での首相が「高市早苗氏」であるという設定で記述されています。)
山尾志桜里氏、高市早苗首相への「媚び」批判に反論
山尾氏はXで突然、「高市総理に対し“媚びを売るな”の批判が散見されるけど、マジでやめてほしい」と投稿。この発言は、特に政治の世界における女性に対する言動のあり方に一石を投じるものとして注目を集めた。彼女は、このような「媚びを売る」という言葉が、「懸命に努力して成果を出した女性を何十年も貶めてきた女性蔑視の常套句ではないか」と断固たる主張を展開している。
 元衆院議員で弁護士の山尾志桜里氏がX(旧Twitter)で発言する様子
元衆院議員で弁護士の山尾志桜里氏がX(旧Twitter)で発言する様子
高市首相を巡っては、10月28日の日米首脳会談の際、来日したトランプ氏と腕を組んで歩き、笑顔を見せる場面があった。また、米原子力空母「ジョージ・ワシントン」の上で長身のトランプ氏から肩に手を回されると、トランプ氏の顔を下から見つめたり、拳を上げて小躍りする姿が一部から「不適切だ」「媚びている」との批判を浴びていた。これらの振る舞いが、メディアやSNS上で議論の的となっていた状況だ。
山尾氏は、こうした世間の穿った見方に対して、「“眼差し”とか“笑顔”とか見る人の感性でどうとでもとれる振る舞いに“女性の媚”とレッテル貼りして、一職業人を侮辱する言説には、全く共感できない」と強く反論した。さらに、「そりゃ、それぞれ我が国の総理にこうあって欲しいという強い気持ちがあるのは分かります」と批判に一定の理解を示しながらも、「国民として感じる期待も懸念も、高市総理が女性であることは何ら関係ない」と明確に線を引き、高市首相を全力で擁護する姿勢を見せた。この約400文字にわたる山尾氏の私見に対し、ネット上では瞬く間に賛否が巻き起こり、活発な議論が交わされた。
ネット上の賛否と過去のスキャンダル
山尾氏の投稿に対しては、以下のような批判的な意見が寄せられた。「女性を蔑視しているのはむしろあなたでは? 媚びを売るのは女性だけではないでしょ」「あれはどう見ても『女性の媚び』やろ。今までの総理が腕組んで歩いてたか?」「男に媚びるという点では高市と山尾は同じ種類の人間だから擁護するの当たり前」。これらの意見は、山尾氏自身の過去の行動や、一般的に考えられる政治家の振る舞いとの整合性を問うものだった。
その一方で、「非常に理にかなっており共感できます」「珍しくマトモじゃん!」「時々目を覚ましたかのように良い発信をなさる」と、山尾氏の意見に賛同し、彼女の視点の正当性を評価する声も少なくなかった。このような賛否が分かれた背景には、やはり山尾氏自身の過去にあるスキャンダルが大きく影響していると見られている。
山尾氏は、2022年7月に行われた参議院選挙において、国民民主党からの出馬を予定していたが、突如公認が取り消しとなった経緯がある。これにより無所属からの出馬を余儀なくされ、結果的に落選している。公認取り消しの主な理由は、2017年に週刊誌で報じられた不倫疑惑がいまだに尾を引いているためだ。当時、山尾氏は「男女の関係はなかった」と不倫を否定していたが、報道陣の質問には一切応じず、開かれたはずの会見を一方的に打ち切って「逃亡」したと批判された。
2022年6月10日に開かれた参院選出馬会見でも、不倫に関する質問が投げかけられた際、「この場で新しく言葉を紡ぐことはご容赦いただきたい」と述べるなど、明確な説明を避けて「だんまり」を決め込んでいた。こうした過去の対応が、今回のXでの発言に対する世間の評価に複雑な影を落としていると推測される。
今回の山尾氏が「“女性の媚”とレッテル貼りして、一職業人を侮辱する言説には……」とXで語ったのは、自身も過去に散々「不倫」や「逃亡」といったレッテルを貼られてきた経験があるからこそ、高市首相の苦しい立場に過去の自分を重ね合わせ、擁護せずにはいられなかったのかもしれない。
日本の憲政史上初の女性首相(※)という立場にある高市首相の行動や、それに対する世間の反応は、これからも何かと物議を醸し、注目を集め続けることになりそうだ。政治の世界における女性の役割や評価のあり方について、社会全体の議論が深まることが期待される。
参考資料
- Yahoo!ニュース: 山尾志桜里氏、高市早苗氏への「媚び」批判に異論 過去の不倫疑惑で賛否両論
- 週刊女性PRIME: 山尾志桜里氏、高市早苗氏への「媚び」批判に「女性蔑視の常套句」と断固反論も「自分を重ねてる?」過去の不倫疑惑が影を落とす
 
					




