9月6日に放送されたフジテレビの人気番組『有吉の夏休み2025 密着77時間in Hawaii』が、放送13回目を迎え夏の恒例企画として注目を集めた。しかし今回、新メンバーとして出演した元AKB48の野呂佳代さんに対する番組内での「体型いじり」が視聴者から強い批判を浴び、SNS上で大きな議論を呼んでいる。この問題は、芸能界における表現のあり方や、現代社会が求めるタレントの意識改革について改めて問いかけている。
『有吉の夏休み2025』新メンバー野呂佳代の活躍と背景
夏の恒例番組、フジテレビ『有吉の夏休み2025 密着77時間in Hawaii』は今年で13回目を迎えた。近年、フワちゃんの活動休止ややす子への暴言騒動後の出演シーンカットなど、出演者編成に変化が見られる中、新メンバーとして元AKB48・SDN48で女優の野呂佳代が加入。有吉弘行と同じ事務所の後輩で、テレビ東京『ゴッドタン』でのコント経験や故・志村けんとの共演で培った高いバラエティスキルを持つ彼女は、今回も「叔父がプロゴルファー」という意外な大ネタで番組を盛り上げた。
人気バラエティ番組『有吉の夏休み』で司会を務める有吉弘行。番組内での体型いじり問題が浮上した。
視聴者から批判殺到!野呂佳代への「体型いじり」問題
番組での野呂佳代の活躍とは裏腹に、SNS「X」では、出演者陣による彼女への執拗な「体型いじり」に対し、視聴者からの強い批判が殺到。「野呂ちゃん面白い」といった肯定的な声以上に、不快感を表明する意見が多数を占めた。「野呂ちゃんの体型いじり、多すぎてこっちが辛い。本当におもんないし、体型で悩んでる一般人から見ても不快」という声や、「有吉の夏休み、野呂佳代ちゃんの体型いじりマジでしつこい。老害すぎるー。録画削除」といった厳しいコメントが投稿され、バラエティ番組の表現方法に疑問が投げかけられている。
プラスサイズモデルとしての活動と芸能界の意識改革
野呂佳代は、自身のふくよかな体型をポジティブに捉え、キャリアに活かしている。オンワード公式サイトで「ボディポジティブなLサイズトレンド」モデルを務めるなど、多様な美の価値観を体現する存在として活動の幅を広げている。このような背景を持つ彼女に対し、執拗な体型いじりを続けることは、従来の芸人文化における「お約束」であったとしても、現代社会が求める多様性尊重とは乖離している。令和の時代、視聴者は身体的特徴を揶揄する表現に強い抵抗感を抱いており、芸能界全体には、より繊細な配慮と時代に即した表現への意識改革が喫緊の課題として求められる。
木村拓哉の「さりげない気遣い」に称賛の声
体型いじりが物議を醸す一方、野呂佳代とYouTubeで共演した木村拓哉の「さりげない気遣い」が視聴者から大きな称賛を浴びている。動画内で野呂が服のサイズについて「気を遣ってLサイズにしてくださったと思いますが、たぶんXLです。すみません」と耳打ちした際、木村は動じることなく冷静に「ほかのアイテムも?」と尋ね、すぐにサイズを取り直した。何事もなかったかのようにプロフェッショナルかつ配慮ある対応を続けた彼の振る舞いは、「プロ意識が高い」「本当に優しい」と絶賛され、タレントの言動が視聴者に与える影響の大きさを改めて浮き彫りにした。
結論
今回の『有吉の夏休み2025』における野呂佳代への体型いじり問題は、現代社会の多様性尊重とメディア倫理について深く考えさせる出来事となった。SNS上の活発な意見は、変化する価値観を芸能界に突きつけている。木村拓哉のような配慮ある対応が称賛される一方、旧態依然とした表現が批判される現状は、番組制作者や出演者に対し、視聴者の感受性に寄り添ったコンテンツ制作への意識改革を強く促す。日本のエンターテイメントが世界へ質の高いコンテンツを発信するためにも、社会的な声に真摯に向き合うことが不可欠である。
参考資料
- Yahoo!ニュース: 『有吉の夏休み』野呂佳代への“体型いじり”に辟易…木村拓哉がとった“さりげない気遣い”に絶賛の声