産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査で、首相主催の「桜を見る会」への招待者選定をめぐる安倍晋三首相の説明について、「納得できない」との回答が74・9%に上った。国民の根強い不信感は安倍内閣の支持率や憲法改正の賛否にも影響しているとみられ、ボディーブローのように政権の足元を脅かしつつある。
桜を見る会をめぐり「招待者の取りまとめに関与していない」との首相の説明に対し、「納得できない」との回答は内閣不支持層の94・7%、支持層でも58・1%に達した。自民党支持層でも「納得できない」は62・1%と高く、再開への賛否についても「廃止すべきだ」が3割を超えた。
年代別にみると、男女ともに高年齢層ほど首相の説明には納得していない傾向がうかがえる。「納得できない」との回答は、男性の50代と60代以上で約8割に達した。女性も40代と50代の約8割が「納得できない」と回答し、60代以上では9割近くになった。
女性の方が安倍政権に対して厳しい傾向は、内閣の支持・不支持率にも表れている。女性では、40代を除く全ての年代で、「支持しない」が「支持する」を上回った。50代では47・3%が「支持しない」と回答し、「支持する」(37・8%)を約10ポイント上回った。
桜を見る会をめぐる安倍内閣への不信感は、首相が在任中の実現を目指す憲法改正にも影を落とした。憲法改正に「賛成」との回答は、桜を見る会がクローズアップされた後の11月の前回調査よりも約10ポイント下落。今回の調査では、安倍内閣の支持層でも「賛成」は63・8%にとどまり、前回の70・4%から約7ポイント減少した。
一方、反対は前回調査(18・4%)から約5ポイント増え、23・6%となった。自民党支持層でも「賛成」は61・2%で前回よりも約8ポイント減。「反対」は逆に約8ポイント増の27・4%だった。
首相が改憲を「私の手で成し遂げたい」と表明したことへの評価も限定的で、「評価する」は内閣支持層で65・8%、自民党支持層は62・6%にとどまった。(清宮真一)