東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で、不通が続いていた福島県内のJR常磐線、富岡-浪江間(20・8キロ)で復旧工事がほぼ終わり18日、試運転が始まった。来年3月の運転再開を目指しており、実現すれば約9年ぶりに全線がつながることになる。
初日は5両編成の試運転列車が時速35キロで走行。橋りょうなどの強度に問題はないか、信号や通信設備、踏切などが正常に作動するかなどの確認を行った。
試運転は20日までの3日間を予定しており、日中に同区間を2往復し、列車の速度を少しずつ上げてチェックを行う。試運転終了後は運転士や車掌など約80人に対し、技術習得を目的にした訓練運転を実施する。
不通区間のうち、震災前に複線だった大野-双葉間は、下り線を使って単線での復旧となる。上り線はJR東日本の道路として整備した。
JR東日本水戸支社の堀込順一設備部長は「帰還困難区域で除染も行う経験がない工事だった。地元の期待に応えられたと思う」と話していた。