【モスクワ=小野田雄一】北方領土の周辺海域でタコ漁を行っていた北海道根室市の漁協所属の漁船5隻が17日、ロシアの国境警備隊に北方領土・国後(くなしり)島の古釜布(ふるかまっぷ、ロシア名ユジノクリーリスク)に連行された。日露外交関係者が明らかにした。日本の外務省は18日、ロシア側に早期解放を申し入れた。
日露両政府は北方領土周辺での漁について操業協定を結んでおり、海産物の種類に応じて日本側の割当量が決められている。今年のタコの割当量は216トン。
関係者によると、漁船は実際の漁獲量と記録上の漁獲量が食い違っている疑いがあるなどとして連行された可能性がある。
北海道庁によると、5隻には計24人が乗船していたとみられる。
イタル・タス通信は18日、「5隻の日本漁船を拿捕(だほ)した。現在、調査を行っている」とする国境警備当局者の話を伝えた。
ロシアは今年1月にも、日本海のロシアの排他的経済水域(EEZ)内で違法にカニ漁をしていたとして、島根県のカニ漁船を拿捕。漁船側は日本円にして約6600万円(当時)の賠償金などを支払い、約1カ月後に解放された。