立憲民主、国民民主の両党などが合併協議に入り、旧民主党勢力が1つの政党として再結集する可能性が高まってきた。安倍晋三政権に対抗できる野党の誕生は政治に緊張感を取り戻すうえでも必要だが、今回の再結集は、旧民主党がそのまま復活するわけではない。かつて政権を担った旧民主党よりも、ずっと重心が「左」に傾いた統一野党として戻ってくる可能性があるのだ。
世間の期待は
「安倍政権に代わって政権を担いうる政党を築き上げ、次期総選挙での政権交代を現実のものとするため、立憲民主党とともに戦っていただけるようお呼びかけをいたします」
立民の枝野幸男代表は6日、国民の玉木雄一郎代表、社民党の又市征治党首らと会談し、政党合流を呼びかけた。国民、社民も協議に応じる意向だ。
しかし、世間の期待はあまり高くない。
産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)が14、15両日に実施した合同世論調査では、3党合流に賛成が37・6%、反対が39・5%で拮抗(きっこう)した。合流後の統一野党に「政権を任せたいと思う」は15・2%にとどまり、「思わない」が66・3%と大多数を占めた。
期待値の低さは織り込み済み。支持は後からついてくる-。当事者たちは、そんな思いかもしれない。だが、「左」に傾きすぎた統一野党が国民の幅広い層から支持を集めるのは困難なようにみえる。
なぜ、リベラル政党だった旧民主党以上に、路線が左に偏りそうなのか。理由はいくつか考えられるが、まず統一野党は共産党との共闘に忌避感がなく、むしろ選挙や国会など、あらゆる面で積極的に協力関係を築くとみられることだ。
「私は京都なので、非常に共産党が強いところで戦ってきた。『自共2大政党制』というところで戦い、共産党の本質はよく分かっているつもりだ。シロアリみたいなものだ。協力したら土台が崩れてくる」
平成27年11月に前原誠司元外相がそう述べたように、旧民主党には共産との協力をタブー視する空気が少なからずあった。民進党に衣替えした後も「民共共闘」の是非は2度の代表選で大きな争点となった。