【AFP=時事】米国務省は16日、ドナルド・トランプ米大統領に影響力を持つ極右のインフルエンサーが負傷したパレスチナ人が米国での治療を許可されたことに苦言を呈する中、パレスチナ自治区ガザ地区住民への訪問ビザの発給を一時停止すると発表した。
2011年9月11日の米同時多発攻撃は内部犯行だと主張していることで知られる極右陰謀論者のローラ・ルーマー氏は前日、ガザに住むパレスチナ人に対するビザ発給をやめるよう国務省に呼びかけ、証拠を示さずに、パレスチナ人は「親(イスラム組織の)ハマスで、ムスリム同胞団と関係があり、カタールから資金提供を受けている」とX(旧ツイッター)で述べるなど、一連の怒りのメッセージを投稿していた。
マルコ・ルビオ氏が長官を務める国務省はXに「最近発給された、少数の一時的な医療・人道目的のビザの発給手続きと手順について、全面的かつ徹底的な見直しを行う間、ガザ地区出身者に対するすべての訪問ビザの発給を停止する」と投稿した。
ルーマー氏が標的にしたのは、米国拠点の慈善団体「HEAL Palestine」。同団体は先週、重傷を負ったガザ地区の子ども11人とその保護者や兄弟姉妹が、米国での治療を受けるために無事到着したと発表していた。
ルーマー氏は別の投稿の中で、「本当に受け入れられない。マルコ・ルビオがビザを承認したかのが誰かを突き止めたら、国務省では誰かが解雇されるべき」と論じた。
一方で米国に拠点を置く慈善団体のパレスチナ子ども救済基金は、トランプ政権に対して「この危険で非人道的な決定を覆す」よう求めている。【翻訳編集】 AFPBB News