2026年中学受験「穴場校」徹底解説:サンデーショックで難易度変動、賢い学校選びの秘訣

少子化が進む日本社会において、中学受験の熱気は依然として高い水準を保っています。特に首都圏では、2028年の受験組までは現在の児童数が維持される見込みであり、2026年度入試も引き続き「激戦」が予測されます。栄光ゼミナール入試情報センターの藤田利通氏が指摘するように、2025年度入試に続き「堅実志向」が続く可能性が高く、多くの受験生が確実な合格を目指す傾向にあるでしょう。

堅実志向の裏に潜む「人気校集中」のリスク

堅実な学校選びや早期の決着を目指す動きは、受験生にとって計画的な学習を促す点でプラスに働く一方で、予期せぬ「人気校への局所集中」という課題も生み出しています。特定の難関校や話題校に受験生が集中しすぎた結果、想定外の不合格となるケースが増加しているのです。例えば、2025年入試では広尾学園や三田国際科学学園のような最難関校だけでなく、日本工業大学駒場や安田学園といった中堅の注目校にも多くの志願者が集まりました。

藤田氏は、「注目されがちな学校に目が向きがちですが、実際には十分に活躍できる環境が整っている学校は他にもたくさんあります」と語ります。中学受験市場は規模が大きく、広報戦略が成功した学校が「人気校」となり志願者を増やす傾向にあります。しかし、素晴らしい教育内容を提供していても、その魅力を効果的に伝えきれず、派手さや話題性に欠けるために、実力以上に難易度が低く評価されてしまう「穴場」の学校が数多く存在しているのが現状です。本稿では、そうした「通好み」の視点から、難易度的に狙い目の学校、いわゆる「穴場校」に焦点を当てていきます。なお、引用する偏差値は全て四谷大塚のデータに基づいています。

中学受験の受験者数と合格発表の様子中学受験の受験者数と合格発表の様子

2026年サンデーショックがもたらす「白百合学園」のチャンス

2026年は、2月1日が日曜日と重なる「サンデーショック」の年にあたります。プロテスタント系の学校は、入試日が日曜日に重なる場合、試験日を変更する慣例があります。これにより、今年度は女子学院、立教女学院、東洋英和女学院といった人気校が、例年の2月1日入試を2月2日にずらすことになります。この現象は、白百合学園の難易度にも影響を与える傾向が見られます。

過去のサンデーショックを見ると、白百合学園の難易度が下がる傾向が確認されています。例えば、前回サンデーショックであった2015年は偏差値61でしたが、その前年が64であったことから、3ポイントの下降が見られました。白百合学園の試験日は例年2月2日であるため、通常は2月1日に雙葉などの最難関校を受験した生徒が併願するケースが多く見られます。しかし、サンデーショックの年には、本来白百合学園を受験する層の一部が女子学院へと流れる可能性が高まるため、結果的に白百合学園が受けやすくなるという状況が生まれるのです。

激化する中学受験において、単に人気校に注目するだけでなく、こうした入試日程の変動や学校の真の実力を見極めることで、合格への扉を広げる戦略的な学校選びが非常に重要となります。情報に基づいた賢い選択こそが、受験生と保護者にとって最良の結果をもたらす鍵となるでしょう。