今や小学3年生でも「自撮り」「鍵垢」「バズる」「なりすまし」といった言葉は常識…低学年の子どもにとって「スマホが憧れの対象」で本当に大丈夫か


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 時刻は女児と友達二人の誕生日を足した数らしい。ファイルには、ゲーム、日記、ひみつノートなとど不規則によれた字が色鉛筆で書いてある。

 背面は、色紙を切った破片で花のような模様があしらわれ、キラキラと光る工作用のスパンコールが糊付けされている。若い女性の間で流行っているデコレーションのつもりだろう。

「そうか、もうスマートフォンを持ちたがる年齢になったのか」

 自分が小学生の頃、まだスマートフォンなど世の中に存在しなかったこともあり、Aさんは戸惑いを感じるばかりだった。

 小学生が欲しいものといえば、一般的にはゲーム機や文房具、キャラクター物の人気が根強いとされ、各種の調査でもそのような報告が多い。しかし、東京23区内の北部に住むAさんによれば、小学生の欲しいもので隠れ人気ナンバーワンはスマートフォンではないか、という。

スマホは「カッコいい」

 ITやネットは、むしろ小学生の身近にある。だからこそ、支給されたタブレットPCよりもいろいろなことが自由にできて、毎日に愉快で楽しい彩りを添えているように映るスマートフォンには興味津々なのだろう。

 活発な子どもにも大人しい子どもにも、共通して人気なのは動画サイトやSNSのショート動画だ。スポーツやゲーム実況、アニメの名シーンなどの切り抜き、それにダンスシーンの動画も人気がある。芸能人やYouTuberが投稿する仲間、仲良しグループで撮る自撮りに憧れのような気持ちを抱く子どもも多い。

 実際に話を聞いたなかに、昨春6年生の卒業式に合わせて、学年を跨いだ仲良しグループでふざけながら撮った動画を「宝物」と表現した3年生の女児がいた。

 撮ったのは卒業する6年生で、使用したスマートフォンは親からの借り物だったが、テキパキとよどみなく操作する姿を見て「カッコいい」と思ったという。

「だって、パパやママより速いんだよ!」



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