『ばけばけ』圧巻の演技力を見せる髙石あかり。“覚醒”のきっかけは、監督が伝えた「意外な一言」


【場面写真】制作陣が「彼女しかいない」と確信。22歳の座長・髙石あかりが見せる、型にハマらないヒロイン

 朝ドラヒロインを演じる役者には、世間から大きな関心を向けられる。中には、「ちゃんと務められるのか?」といった攻撃的な目線も少なくない。主人公・トキ役を務める髙石あかりも例外ではなかった。しかし、いざ放送が始まると、視線を釘付けにする表情の機微や圧巻の演技力で、朝ドラヒロインとしての存在感を確かなものにしている。

 改めて“朝ドラヒロイン・髙石あかり”を制作陣はどのように見ているのか。本作の制作統括を務める橋爪國臣氏に聞いた。

髙石あかりに、自然に動いてもらえるように

「基本的には本人が好きにやれる環境をどれだけ作れるか、ということに気をつけています。例えば、方言にこだわりすぎて、がんじがらめになり、アドリブができなくなることは避けたい。歴史モノなので、着物を着たり、方言を使ったりなど、いろいろな制約はあるのですが、そういったことは極力少なくして、自然に動いてもらえるようにしています」

 さらには、「髙石さんは『こう返すなら、自分はこういう表情を見せる』というような瞬発力がとにかく高い。相手とのキャッチボールをしながら面白さを積み上げていける役者さんなので、周囲のキャストにも同じレベルが求められます。髙石さんの芝居を受け、きちんとキャッチボールできる人をキャスティングしよう、ということもこだわった部分です」と共演者選びも特に意識したという。

会話劇で評価された“型にはまらない芝居”

「ヒロインオーディションの際、髙石さんに演技を見せてもらった時、最初は歴史モノということでいろいろ考えながら演じていました。ただ、村橋直樹監督から『相手役を伊澤さんだと思って芝居してください』といったことをお願いしたんです。

 その後にもう一度演じてもらったら、本当に自然な演技を見せてくれ、『私たちが求めているのはこれだ!』『型にはまらない芝居をやらせたらピカイチだ!』と思ったんです。実際に『ばけばけ』でも、その魅力が発揮されていて、髙石さんがトキ役で良かったと思っています」



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