2025年は、秋篠宮家の悠仁親王殿下が成年を迎えられ、愛子内親王殿下が初の海外ご公務を果たされるなど、皇室の若い世代に大きな注目が集まりました。皇室の未来を担うお二方をめぐっては、今年、皇室典範改正を含む重要な動きが見られる可能性もあります。長年にわたり皇室を研究されている明治学院大学名誉教授の原武史氏と、象徴天皇制の専門家である名古屋大学准教授の河西秀哉氏が、現在の状況と今後の展望について議論しました。
悠仁親王の多忙な日々:学業と公務の両立
秋篠宮家の長男である悠仁親王殿下は今年で20歳を迎えられます。昨年は筑波大学に入学され、念願だった昆虫研究を始められました。現在は東京を離れた茨城県つくば市で、学業優先の生活を送られています。大学教員である河西氏は、理系の学生が学年が上がるにつれて実験などが増え、多忙を極めることを指摘し、悠仁親王殿下も今後、週末も学業に費やす機会が増えるだろうと推測しています。
原氏が懸念するのは、成年皇族となられてから、宮中祭祀のたびに東京へ戻られていることです。学業優先とはいえ、つくばと東京を頻繁に往復する生活は、身体的にも精神的にも相当な負担となるはずです。河西氏も、土日などを利用して予想以上に公務に取り組まれていることに驚きを隠しません。特に注目されたのは、宮中祭祀で最も重要とされる昨年11月の新嘗祭の前日に、悠仁親王殿下が紀子さまと共にデフリンピック観戦のため伊豆大島を訪問されたことでした。初の新嘗祭に参列される当日の午後に船で帰京するという、非常に強行なスケジュールでした。
明治学院大学名誉教授・原武史氏と名古屋大学准教授・河西秀哉氏が対談
原氏は、天候悪化により伊豆大島から船が出ないリスクも考慮すべきだったのではないかと疑問を呈し、新嘗祭がある日の日中は予定を入れないという皇室の慣習がどのように認識されていたのか、その背景を知りたいと述べました。河西氏も、公務のスケジュールは宮内庁も把握しているものの、新嘗祭の重要性が肌感覚として理解されていれば、別の判断もあり得たのではないかと感じています。
現在の皇室に「帝王学」の発想がどの程度残っているかは不明瞭ですが、原氏は「父子相伝」の面での懸念も示します。徳仁親王殿下(今上天皇)までは、天皇である父親の背中を見て多くを学ばれてきたはずですが、秋篠宮殿下は今上天皇の弟君であり、子ではありません。この点において、やはり天皇と親王(秋篠宮殿下)では立場に断絶があり、それが悠仁親王殿下にも影響を及ぼすのではないかと指摘しています。
愛子さまの存在感と「愛子天皇待望論」の影響
河西氏は、悠仁親王殿下の過密なスケジュールの背景の一つとして、愛子内親王殿下の影響を挙げています。皇位継承権を持たない愛子内親王殿下の露出が増え、人気が高まる中で、何もしなければ悠仁親王殿下の存在感が薄れてしまうという懸念があると分析します。世に広がる「愛子天皇待望論」に抗するため、多少の無理をしてでも悠仁親王殿下の露出を増やしている印象があるとのことです。
原氏もこの見方に同意し、まさにその通りで、悠仁親王殿下とは対照的に、この1年で愛子内親王殿下の存在感は大きく増したと述べました。悠仁親王殿下には大学のカリキュラムがあり、宮中祭祀のような非公開の場での活動が主となるため、ご負担の割には国民の目に触れる機会が少ないのが現状です。一方で、大学をご卒業された愛子内親王殿下は、日本赤十字社でのご勤務はあるものの、公務に取り組まれやすい環境にあります。特に昨年11月に行われたラオスへの初の海外ご公務は、大きく報道され国民の関心を集めました。
皇室の将来を担う若い世代のお二人は、伝統と公務、そして個人の成長という複数の側面で様々な課題に直面しています。今後、皇室典範に関する議論が進む中で、お二方の活動とその国民からの受け止められ方は、引き続き大きな注目を集めることでしょう。





