吉本興業、書面契約のルール化などガバナンス強化 アドバイザリー委が提言書


 所属するタレントが反社会的勢力のパーティーなどに参加し金銭を受け取っていた「闇営業」など一連の問題を受け、吉本興業が設置した外部有識者からなる経営アドバイザリー委員会(座長・川上和久国際医療福祉大教授)は20日、所属タレントとの契約のあり方などガバナンス(企業統治)強化、問題の再発防止に関する取り組みなどに関する提言書を同社に手渡した。

 提言書では、社会やタレントの権利意識の変化に伴い、これまで口頭で交わすことが多かった契約の書面化、契約違反があった場合の対応について基準を明確化することなどを徹底し、危機管理に生かすとした。

 反社会的勢力排除のための確認態勢強化として、タレントが会社を通さずに仕事の依頼を受けた場合は、報酬の有無にかかわらず会社への報告を義務付け、会社側が仕事の依頼主の属性調査をすることをルール化する。意図しない反社会的勢力との接触を防ぐだけでなく、脱税の可能性をなくすこともできると指摘している。同社は、これらの提言をもとに対策を進める。

 吉本興業をめぐっては、今年6月、一部の所属タレントらが反社会的勢力の関与するイベントに会社を通さずに参加していた問題が発覚。再発防止に向け、同社は8月に経営アドバイザリー委員会を立ち上げ、議論を重ねてきた。



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