19日に肝不全のため72歳で死去した望月義夫元環境相の自民党と望月家の合同葬が23日、静岡市で行われた。望月氏が所属した岸田派(宏池会)の会長で葬儀委員長を務めた岸田文雄政調会長は弔辞で、望月氏が宏池会の事務総長として派閥内外の調整役を担っていたことに触れ「政界随一の人脈を持っていた。その人柄で緊迫した国会情勢のときでさえ、周りには常に笑顔があった」と述べ、故人をしのんだ。
合同葬には竹下亘元総務会長や甘利明税調会長ら約2千人が参列した。
岸田氏は望月氏が生前、英国のチャールズ皇太子への贈り物として日本の座布団を発注していたことを明かした。10月の天皇陛下の即位礼正殿の儀で、望月氏がチャールズ皇太子と隣り合わせて座った際、チャールズ氏が腰に座布団を当てていることに気付き、「腰にいいから」と日本の良質な座布団をプレゼントすることを約束したという。
望月氏は今春、黄綬褒章を受章した地元静岡市のふとん店を営む新貝晃一郎さんに作製を依頼。座布団の柄は緑色の正絹に純金の金糸を織り交ぜた鳳凰(ほうおう)柄と、即位の礼で天皇陛下が着用された正絹の黄櫨染(こうろぜん、桐竹鳳凰)を模した柄の2種類。望月氏は亡くなる1週間ほど前に完成品を確認し、満足した様子だったという。座布団は英国に発送された。
また、宏池会名誉会長の古賀誠元幹事長は平成17年7月、郵政民営化関連法案の採決の際、望月氏とともに衆院本会議を退席したエピソードを披露し、「振り返ると、もっちゃん(望月氏の愛称)が付いてきてくれた。『先生だけ1人にするわけにはいかんでしょう』と言われた」と語り、声を詰まらせた。