新聞や雑誌などの紙媒体がデジタルへの対応を迫られるなか、文藝春秋(東京都千代田区)が運営するネットメディア「文春オンライン」が好調だ。タイムリーで読み応えある記事で、11月のページビュー(PV)は過去最高の3億PV超え。これまで独走していた、同じ出版社系の「東洋経済オンライン」を凌駕する勢いをみせている。
文春オンラインは平成29年1月に開設。文春オンライン編集部のオリジナル取材記事や自社雑誌の記事などを掲載している。今年4月からは雑誌「週刊文春」との連携を深め、スピード感を重視したことで読者層が拡大。芸能界の薬物汚染や反社会的勢力とのつながりが問題化した際には、過去の週刊文春の記事を再構成してニュースを深掘りしたり、独自のインタビュー記事を掲載したりして反響を集めた。
文春オンラインは今月、優れた情報発信媒体に贈られる「第5回スマートニュースアワード」を受賞。竹田直弘編集長は「文春が蓄積してきた資産を使ってウェブでどう楽しんでもらうか、収益も上げていけるのか考えていきたい」と話している。