【パリの窓】年末ストで歩いて駅を探す日々

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スクーターを手にした乗客が歩くダンフェール=ロシュロー駅=24日、パリ(AP)

スクーターを手にした乗客が歩くダンフェール=ロシュロー駅=24日、パリ(AP)

 フランスで年金改革に反対する労組のストが始まってから、もうすぐ3週間。

 パリで常時運行の地下鉄は2路線しかない。携帯の地図アプリを片手に、最寄り駅を探す日々。1日3時間歩くのもザラで、さすがにこたえる。市内は大渋滞。朝晩の駅はパンク寸前だ。

 それでも、ストに好意的な人が多いので驚く。22日発表の調査で51%あった。

 年金受給開始年齢は現在、62歳。政府は64歳までの就労を促す一方、転職など個人の生き方に対応できる公平な制度にするという。官民や職種の格差をなくすから。だが労組代表は「政府は年金を個人のものと考える。私たちにとっては連帯の絆だ」と反論する。問われているのは、カネの増減だけではないらしい。

 庶民の年金は19世紀、炭鉱夫や鉄道員が作った互助会にさかのぼる。労働運動が現在の制度を培った。改革は先祖が築いた国の礎を壊してしまわないか。スト応援の裏に、こんな国民の不安が透けてみえる。帰省電車の運休で「今年は1人でクリスマスかも」と嘆く友人も、「労組がんばれ」と言うのだ。

 隣の英国は受給開始年齢を68歳にする。政府は実施を7年早める計画だが、総選挙ではさして論議にもならなかった。高齢化で欧州福祉国家はどこも見直しが進むが、受け止め方はそれぞれ違う。(三井美奈)

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