【主張】秋元容疑者逮捕 IR事業の闇放置するな

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 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業の推進には、安倍晋三首相も「成長戦略の目玉になる」と期待している。一方で、カジノの解禁には強い反発がある。

 ギャンブル依存症への不安と、利権の行方への不信が、反発の主たる要因である。広く国民の理解を求めるためには、計画の透明性が不可欠である。そこに不正が絡めば、誰も耳を貸してはくれまい。

 IR事業をめぐる収賄容疑で、東京地検特捜部は自民党衆院議員の秋元司容疑者を逮捕した。贈賄容疑で広東省深センに本社を置く中国企業「500ドットコム」の元幹部ら3容疑者も逮捕した。

 秋元容疑者は平成28年の臨時国会で衆院内閣委員長としてIR推進法の成立に関わった。29年8月から30年10月までは内閣府副大臣でIRを担当し、観光施策を所管する国土交通省の副大臣も兼務した。党と政府で一貫してIR事業を推進する立場にあった。

 秋元容疑者は29年9月下旬に東京都内で現金300万円を受け取り、30年2月中旬には、妻子とともに北海道留寿都(るすつ)村への約70万円相当の旅行に招待されたとされる。いずれもIR担当の内閣府副大臣在任中だった。

 中国企業は留寿都村が誘致していたIR事業への参入に意欲を示していた。秋元容疑者は中国企業が那覇市で開いたシンポジウムで基調講演を行い、深センの本社も訪問した。贈賄側容疑者らとともに北海道で留寿都村幹部とも面会している。担当副大臣として事業参入を目指す一企業との密接すぎる関係は異様である。

 菅義偉官房長官は秋元容疑者逮捕のIR事業への影響について「できるだけ早期にIR整備による効果が実現できるよう着実に進めていきたい」と強調した。

 政府がなすべきは、まず捜査に全面協力を惜しまぬことである。容疑が事実であれば、担当副大臣に登用した不明を恥じ、任命責任を問われなくてはならない。

 留寿都村はすでに優先候補地から外れ、北海道は誘致を見送っている。逮捕直前まで「事実無根」などと関与を否定していた秋元容疑者は自民党を離党した。

 それで事件に幕が引かれるわけではない。最大3カ所とされる候補地の選定は、これから佳境に入る。他に不正はないか。監視の目を強める必要がある。

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