カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業をめぐる汚職事件で、中国企業「500ドットコム」側が、内閣府のIR担当副大臣だった衆院議員の秋元司容疑者(48)=収賄容疑で逮捕=が本社を訪問する際の旅費を一部負担していた疑いがあることが27日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は賄賂に当たる可能性がないか慎重に調べている。
秋元容疑者は、IR担当の内閣府副大臣だった平成29年9月、IR事業で便宜を受けたいとの趣旨だと知りながら、「500」社側から東京都内で現金300万円を受領。30年2月には妻子と北海道旅行への招待を受け、旅費など約70万円相当の利益供与を受けた疑いが持たれている。
秋元容疑者は29年12月、「500」社が用意したプライベートジェットで広東省深(しん)●(=土へんに川)(せん)の同社本社を訪問。秋元容疑者の政治団体から「旅費」として紺野容疑者が関係する香港の会社に256万円支出された。
関係者によると、この政治団体の政治資金収支報告書に記載された支出額と、香港の会社が発行した領収書の金額が異なり、支払いの一部が確認できない状態になっているという。
この中国訪問には白須賀貴樹衆院議員(44)、勝沼栄明前衆院議員(45)も同行。特捜部は25日、贈収賄事件の関係先として2人の地元事務所などを家宅捜索していた。
秋元容疑者は逮捕前、産経新聞の取材に対し、中国訪問について「経済視察だった。中国企業が準備したプライベートジェットで行ったが、費用は支払い、報告書に記載した。お菓子と急須みたいなものをもらったが贈収賄にはならない」と話していた。