株式市場動かすのは海外勢 30年でシェア3割に上昇


 日本の株式市場を支える投資家の構図はこの30年間で大きく変化した。最も飛躍したのは海外勢だ。ただ、この数年は3割前後で頭打ちになっている。海の向こうからより多くの投資マネーを呼び込むには、企業統治改革や市場構造再編などの懸案を着実に解決していくことが求められる。

 東京証券取引所などの株式分布状況調査によると、平成30年度末の海外投資家の保有比率は29・1%で、日経平均株価が過去最高値をつけた元年度末の4・2%から大幅に増えた。

 信託銀行も21・5%と倍増した。日本銀行が大規模金融緩和の一環で上場投資信託(ETF)を買い入れ、相場を下支えしていることが影響している。

 一方、都市銀行や地方銀行は15・7%から3・1%、事業法人は29・5%から21・7%に低下した。株式の持ち合い解消が進んだためだ。経営に対するチェック機能が強まり、日本企業の持続的成長を促す効果が期待できる。

 SMBC日興証券の清水喜彦社長は「日本企業のガバナンスや株主との対話姿勢に関する意識の変化がみられ、発行企業、投資家ともにグローバルスタンダードに近づいた」と評価している。(米沢文)



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