藤沢周平原作の傑作長編小説を、北大路欣也主演でドラマ化した「三屋清左衛門残日録」シリーズ。
平成28年放送の第1作では、東北の小藩で前藩主の用人を務めた三屋清左衛門が家督を息子に譲り、隠居してからの日々を描いた。悠々自適を望んでの隠居だったのに、襲ってくる寂寥(せきりょう)感。ところがそんな日々もつかの間、親友の町奉行、佐伯熊太らが数々の事件を持ち込んでくることに。事件解決に奔走する清左衛門だったが、次第に藩を二分する政争に巻き込まれていく。
翌29年には、「完結編」が放送された。旧友、金井奥之助との再会や、清左衛門や佐伯らが足しげく通う小料理屋「涌井」の女将(おかみ)、みさと清左衛門の心の距離の接近などに触れながら、藩政を牛耳ろうとする筆頭家老の朝田弓之助をはじめとする朝田派との対峙(たいじ)を描く。
さらに30年には、好評に応えた第3弾、「三屋清左衛門残日録 三十年ぶりの再会」を放送。隠居生活の慰みに、川釣りを始めた清左衛門は、釣友であり、かつて中根道場の同朋だった安富源太夫の言葉に動かされ、佐伯や小沼惣兵衛ら、かつての道場仲間を集めて30年ぶりの旧交を温めた。若かりし頃の話に花を咲かせ、楽しい一夜を過ごした清左衛門。さらに道場主の中根弥三郎から、とある果たし合いの立会人を頼まれることに。古き仲間たちとの交流とその裏にあるそれぞれの事情と生き方。清左衛門の胸に去来し、夜ごと『残日録』につづる胸の内は…。
好評のうちに3作が放送されたシリーズの最新第4作の制作が決定した。最新作の放送は2年ぶり、令和2年3月となる。まずは放送までに、過去3作を見直せば、最新作の感動が深くなることはうけあいだ。