保釈中にレバノンに逃亡した日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告(65)について、森雅子法相は6日、臨時の記者会見で「不正な手段を用いて不法に出国したものと考えられる。密出国、不法出国に当たる犯罪だ」と強調した。ゴーン被告が逃亡後、森氏が会見するのは初めて。
森氏は保釈制度の見直しについて言及。被告にGPS(衛星利用測位システム)を装着させ行動監視することについて「議題の一つ」と述べた。そのうえで、「現在検討中の議論を加速させたい」とした。
ゴーン被告が出国に使ったとみられるプライベートジェット機に持ち込まれた荷物が、関西空港でエックス線検査を受けていなかった問題をめぐっては、「同様の事態を招くことができない措置を取っている」と明らかにした。また、出国時の手続きについて、出入国在留管理庁に対し、いっそうの厳格化を図るように指示したとした。
レバノン政府にゴーン被告の身柄引き渡しを求めるかどうかについては、「相手国の国内法制に基づき慎重に検討する事柄だ」と述べるにとどめた。
会見には、海外メディア13社の記者も参加。ゴーン被告の逃亡について、「どのように関西空港に向かったのか」「協力者は誰だったのか」「米国には協力を要請したのか」といった質問が出たが、森氏はいずれも「捜査中の案件のためお答えを差し控える」とした。