対日・対北とも抜本策示せず 文在寅氏、手詰まりの任期折り返し

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7日、ソウル駅で文在寅大統領の「新年の辞」テレビ放送を見る市民ら(AP)

7日、ソウル駅で文在寅大統領の「新年の辞」テレビ放送を見る市民ら(AP)

 【ソウル=桜井紀雄】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は7日、施政方針を盛り込んだ「新年の辞」を発表した。昨年、極度に関係が悪化した日本に対しては協調姿勢を打ち出し、北朝鮮との協力促進を改めて訴えた。だが、抜本的な解決策は示さず、国内対立を生んだ政策の推進も明言。5年任期の折り返しを越え、求心力低下を招く可能性もある。

 「日本は最も近い隣人。両国間の協力関係を一層、未来志向的に進化させていく」。文氏はこう日韓関係改善に意欲を示した。日本が輸出管理厳格化を撤回すれば、「両国関係がさらに早く発展できる」と強調したが、関係悪化の根源であり、韓国政府としての早急な解決策の提示が求められる、いわゆる徴用工判決に関する言及はなかった。

 日本の輸出管理措置に対し、「誰にも揺さぶられない国」を目標に、官民挙げて半導体材料の国産化に取り組み、「意味ある成果を達成した」と日本の措置に対抗した政策を政権のアピール材料として持ち出した。

 北朝鮮問題では、昨年、南北協力で進展がなく、「心残りが大きい」と振り返り、「武力の誇示と脅しは誰の役にも立たない」と述べ、ミサイル発射を繰り返す北朝鮮を牽制(けんせい)した。「南北協力を増進させる現実的な方法を模索する必要が切実」だとも訴えた。

 一方で、南北はともに生きる「生命共同体」だと主張し、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長も「同じ意志を持っていると信じる」として、軍事境界線地域での協力事業を提案。2032年夏季五輪の南北共同誘致や、今年の東京五輪での合同チーム結成などのための協議継続を北朝鮮に呼び掛けた。

 金氏と「何度も会って絶えず対話する用意がある」と強調し、南北経済協力事業の開城(ケソン)工業団地や金剛山(クムガンサン)観光の再開、金氏訪韓に向けての努力を表明した。だが、北朝鮮は対話自体を拒否する立場を続けており、6日には対外宣伝サイトで、文氏の朝鮮半島平和構想について「南朝鮮(韓国)当局者が自画自賛しながら厚かましくもてあそんでいる」と批判した。

 文氏は経済分野に時間を割き、「国民が包容、革新、公正で確実な変化を体感できるようにする」と宣言した。ただ、批判を浴びた経済政策の転換には触れず、国内対立を生んだ司法改革を進める意思を改めて示した。国民が変化を実感できないまま、社会の亀裂だけが深まる懸念もある。

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