創薬系バイオベンチャーのジーンテクノサイエンスは8日までに、抗がん剤の開発で札幌医科大学と共同研究契約を結んだ。バイオ新薬事業での新たな開発案件(パイプライン)として、希少がんや難治性がんに対する新たな抗がん剤の開発を目指す。
札幌医大医学部付属フロンティア医学研究所の山口美樹助教の研究成果を活用する。山口助教が持つがん細胞内への侵入能力に優れた抗体と、ジーンテクノが持つ高度なタンパク質取り扱い技術を融合させて、新たな抗がん剤を共同で開発する。
近年の抗がん剤によるがん治療では、がん細胞のみ認識する抗体医薬品が使われている。ただごく一部のがんにしか効かないなど治療効果が限定的で、既存の抗がん剤との併用されるケースが多い。そのため、副作用が少ないとされる抗体医薬品本来の特徴が生かせていないという課題を抱えている。