堅調景気…五輪後には警戒感 経済3団体新年祝賀会





経済3団体共催の新年祝賀パーティーで乾杯する(左から)安倍晋三首相、日本商工会議所の三村明夫会頭、経団連の中西宏明会長会長、経済同友会の桜田謙悟代表幹事=7日午後、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ(酒巻俊介撮影)

 経団連など経済3団体共催の新年祝賀パーティーが7日、東京都内のホテルで開かれた。経済の先行きをめぐっては、昨年来の米中貿易摩擦や消費税増税に加え、年明けからは米国とイランの対立が激化するなど波乱含みの世界情勢の影響も想定される。出席した経営者からは東京五輪・パラリンピックの開催や米中の和解などで堅調な景気回復を予測する声が目立った一方、五輪後の景気後退への懸念も少なくなく、成長分野への積極投資を促す姿勢も示された。

 「足元で原油の調達に支障は出ていない。今後の中東情勢を注視する」

 JXTGホールディングス(HD)の杉森務社長はパーティーで、年始の中東情勢緊迫化の影響について警戒感をあらわにした。中東の地政学リスクを今後の景気への不安要因に挙げる経営者は多い。

 ただ、7日の東京株式市場では、前日急落した日経平均株価が大幅反発した。事態の深刻化に対しては、「米国もイランも世界景気全体が冷える選択をしないだろう」(東芝の車谷暢昭会長)と冷静な意見も聞かれた。

 懸案の米中貿易摩擦についても、ローソンの竹増貞信社長は「米国は大統領選を控え、中国も景気に心配な数字が出ており、お互い経済に集中しようということになるのではないか」と指摘し、今年の後半に向けて日本の景気に追い風が吹くと予想する。また夏に開催される東京五輪・パラリンピックも好材料で「需要喚起のジャンプ台になる」(東京海上HDの小宮暁社長)と景気の盛り上がりを期待する見方が広がる。

 ただ、五輪後の景気を不安視する声もある。キリンHDの磯崎功典社長は「ほぼ確実にダウンする。相当消費マインドが下がるので、覚悟しておいた方がいい」と警鐘を鳴らす。

 政府の経済財政諮問会議の民間議員も務めるサントリーHDの新浪剛史社長は「五輪後も成長を持続的にするための面白い投資分野が必要だ」と強調。規制改革や二酸化炭素・プラスチック対策などを積極的に進めるべきだと訴えた。



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