【北京=三塚聖平】中国中部の湖北省武漢市で原因不明のウイルス性肺炎の発症が相次いでいる問題で、中国国営中央テレビは9日、新型のコロナウイルスが発症者から検出されたと報じた。病原体について調査している専門家チームによる初期段階の判定としており、今後詳細についてさらに調査を進める。
過去に流行した新型肺炎(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)もコロナウイルスによるものだが、今回はこれらとは異なる新型という。新たな病原体に対する特効薬やワクチンの研究開発には、数年間かかる可能性があるとの見方も伝えられている。
武漢市当局は今月5日の発表で59人が発症し、そのうち7人が重症だと発表している。59人は昨年12月12日から同29日にかけて発症したといい、これまでに死亡者は出ていないという。治療を受けていた8人が回復して退院したと8日に報じられている。
中国では、多くの人が帰省や旅行などで交通機関を利用する春節(旧正月)の大型連休が今月下旬に始まる。中国政府の交通関係機関は、春節期間中に感染を拡大させないよう万全を期す方針を示している。