【パリ=三井美奈】英独仏の3カ国は14日の共同声明で、対イラン国連制裁の再開に道を開く「紛争解決手続き」を発動したと発表した。米、イランが対立を深める中、イランに合意復帰への圧力をかけ、外交による緊張解決を促した。
声明は、トランプ米政権が核合意を離脱し、対イラン制裁を単独で復活した後も「我々はイランの貿易を支援するよう努めてきた」と強調。対イラン強硬策をとる米国と距離を置く一方、イランの核合意逸脱は「後戻りできない深刻な事態」に向かっていると警告した。イランは今月5日、米軍によるスレイマン司令官殺害を受け、無制限にウラン濃縮を行うと表明していた。
「紛争解決手続き」は核合意で定められた制度。イランの違反をめぐり、合意加盟国間の協議で解決できない場合、国連安全保障理事会が対イラン制裁解除を維持するか否かを決める。発動から制裁復活までには、2カ月以上かかる。