【モスクワ=小野田雄一】ロシア下院は16日、内閣総辞職したメドベージェフ首相の後任としてプーチン大統領が提案したミハイル・ミシュスチン露連邦税務局長官(53)の首相就任に同意するかどうかを判断する。イタル・タス通信が伝えた。下院で圧倒的多数の議席を持つプーチン政権の与党「統一ロシア」はミシュスチン氏の首相就任に同意する方針を示しており、同氏の新首相就任は確実な情勢だ。
メドベージェフ氏は15日、プーチン氏が同日行った年次教書演説で議会の権限拡大などを盛り込んだ憲法改正の必要性に言及したことを受け、内閣総辞職を表明。プーチン氏はこれを承認するとともに、新首相にミシュスチン氏を充てる人事を下院に提案した。露憲法は、首相は大統領が下院の同意を得た上で任命すると定めている。
下院に議席を持つ各党は16日、首相就任に同意するかを判断するためミシュスチン氏への質疑を行う。タス通信によると、与党の統一ロシアは既に同意する方針を表明。野党側は質疑後に是非を判断するとしている。最終的な投票で過半数の同意が得られれば、同氏が首相に就任する。
ミシュスチン氏は首相就任後、組閣に着手し、プーチン氏の承認を得た上で新内閣を発足させる。
首相退任後のメドベージェフ氏をめぐっては、プーチン氏は自身が議長を務める国家安全保障会議に副議長職を新設し、同氏を充てる意向を示している。