滋賀県東近江市の湖東記念病院で平成15年、人工呼吸器のチューブを外して男性患者=当時(72)=を死亡させたとして殺人罪が確定、服役した元看護助手の西山美香さん(40)の再審公判に向けた弁護団と大津地検、大津地裁の3者協議が16日、同地裁で開かれた。3者協議はこの日で終了、再審公判は2月3日と同10日に開かれる。判決は3月31日になる見通しという。
昨年3月に最高裁で再審開始が確定して以降、再審公判に向けて主張や証拠を整理する3者協議は、これまでに7回開催。検察側は当初、西山さんの有罪を立証する方針を示していたが昨年10月、「新たな証拠請求を行わない」と、有罪立証を事実上断念する方向に転じた。
3者協議後、大津市内で記者会見した井戸謙一弁護団長は「重大な方針転換をしたのなら、理由を説明すべきだった」と検察側の対応を批判。「再審公判では早期の無罪を優先した結果、捜査員への証人尋問はできなくなり、物足りなさを感じている。許された時間の中で捜査の問題点を明らかにしていく」と述べた。