【阪神大震災25年】生き残った だから詠む 89歳の被災歌人、最後の個展

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阪神大震災をテーマに短歌を詠み続ける歌人の二葉由美子さん。最後の個展を開いている=兵庫県川西市(南雲都撮影)

阪神大震災をテーマに短歌を詠み続ける歌人の二葉由美子さん。最後の個展を開いている=兵庫県川西市(南雲都撮影)

 阪神大震災をテーマにした短歌を作り続けている歌人、二葉由美子さん(89)が、兵庫県川西市の自宅ギャラリーで最後の個展「鎮魂の短歌展」を開いている。被災地で移ろいゆく被災者の心情を見つめ、その軌跡を言葉で表現し続けてきた。「生き残った者としての、鎮魂の思いを込めました」。卒寿を迎える歌人は静かにその四半世紀を振り返る。(有年由貴子)

 《断層つらぬくわが家無残…ぼう然自失の壷がころがる

《ゼロからの出発もよい早朝の校庭に洗顔すれば青いそら-》

 壊れた自宅で、小学校の避難所で、仮設住宅で…。復興住宅にある自宅内のギャラリーには、これまでにさまざまな場所で詠んだ歌や、発刊した短歌集が展示されている。「歌は自分の気持ちのカタルシスなんです」

 震災当時、短歌愛好家グループ「創芸短歌社」を主宰し、川西市南花屋敷にあった自宅の2階を「短歌の館」と名付け、歌会などの交流の場として開放していた。

 しかし、平成7年1月17日に襲った震災で18年間暮らした自宅を失った。「突然何十ものシンバルが一斉に激しく鳴らされたような音がし、幅17センチほどの亀裂が床を貫いた。のぞいたその底はまさに闇でした」

 避難所生活は1カ月にわたり、混乱と喪失のなかで心の支えとなったのは短歌だった。

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