《植松聖(さとし)被告に対する弁護人の質問が続く》
弁護人「(重度障害者を殺害すると)事件前、何人ぐらいの人に話したのですか」
植松被告「50人ぐらいはいたかと思います。半分以上の方に同意や、理解をしていただいたと思います」
弁護人「それは、どういう反応をみて?」
植松被告「一番笑いが取れたからです。真実から笑いが起きたと思っています」
《なぜか2~3秒に1度、しきりに目をしばたたかせる植松被告。弁護人から「大丈夫ですか」と問われると、「よろしくお願いします」と応じ、質問は続行された》
弁護人「(事件を起こした)平成28年ごろは何があったか覚えていますか」
植松被告「(イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」)ISが暴れていました。人が戦車でひかれ、プールに沈められるのを見て、恐ろしい世界があると思いました」
弁護人「そのとき、ISの被害に遭っていたのは誰ですか」
植松被告「民間人です。殺されるべきではないと思いました」
弁護人「ほかに事件当時、起きていたことで何を覚えていますか」
植松被告「ドナルド・トランプ大統領が大統領選に出ていました」
《これまでの公判でも、知人の供述調書などから、植松被告がトランプ米大統領に心酔する様子が伝えられてきた。弁護人の問いかけが終わる前に話し始める場面もあるなど、明らかに興奮した様子が伝わってくる》
弁護人「トランプ大統領をどう思いますか」
植松被告「勇気を持って真実を話していると思います。メキシコとの国境に壁をつくるというのも、いいことかどうかは分かりませんが、メキシコのマフィアはとても怖いのは事実です」
弁護人「真実を話しているというのは…」
植松被告「かっこよく生きていると思います。すべてかっこいいと思いました。かっこいいからお金持ちなのだと思います」
弁護人「そのトランプ大統領は重度障害者を殺していいと言ってますか」
植松被告「いえ、それは私が気付いた真実だと思います」
《口調に熱が帯びる。なぜか、弁護人が話の矛先を各国の指導者に向けると、持てるだけの知識を披露しているようだった》
植松被告「おかげさまでプーチン大統領から(事件について)お言葉をいただけて光栄です」